竹について取り上げたいことは、まだまだあります。
驚異的・神秘の力を持つ植物と言われる理由としては、
庭に植えると垣根を超えてたちまち隣の家に進出してしまう成長力と、
もうひとつ、弾力があって強い茎もあげられます。
古い時代から日本では籠やうちわやすだれ、さまざまな家具に加工され、日本人の生活とともにありました。
まっすぐで強くて弾力性のある茎を持った竹は、もともとは「草」だったのですが、
成長することで木質化し、現在の茎を手に入れました。
つまり竹は「木になることに成功した」草なのです。
他の草にも年月をかけて木質化するものはいますが、竹ほど徹底的に「木になった」ものはいません。
工芸の素材としては木と同等で、弾力性の点では秀でている竹は、木よりも優れた木になってしまったのです。
話は変わりますが、竹の花というのを見たことがあるでしょうか?
これも実は「神秘」のひとつと言われています。
こんな花を咲かせます。
竹がイネ科の植物であることを思い出させてくれるような花ですね。
普通のイネ科の植物は春に発芽し、夏頃に花が咲き、秋に実をつけて一生を終えるのですが、
竹は花を咲かせるまでの「開花周期」が大変長く、
孟宗竹(モウソウチク)で67年、真竹(マダケ)で120年に一度しか開花しません。
また、種類によっては未だに開花が確認されていないものもあるそうです。
60年~120年といえば、人間の人生の長さと重なります。
普通のイネ科と同じように、竹も人生の中で一度しか開花しません。
生涯をかけて、花を咲かせるのです。
竹は一つの竹林で一つの命をもっていると言えます。
長いあいだ地下茎で竹林を広げ、ある時いっせいに花を咲かせます。
若い竹も年老いた竹も同時に。
そして種子を残し、次の世代に命を受け継いでいきます。
120年の生涯をかけた竹の開花に、一度立ち会ってみたいものですね。
