赤い木の実の話が続いていますが、
ひとつくらい「人間が食べてもいい木の実」はないだろうかと思っていたところ、
こんなのをつけている木を見つけました。
近所のお宅の庭にたくさんなっているもので、
おそらくミカンだと思います。
オレンジ色で赤い実ほど目立ちませんが
こちらの方は人間が食べても美味しい、ということは「どうぞ食べて下さい」と言われているのです。
ミカンを初めとする柑橘類は古代、橘(たちばな)と呼ばれていました。
橘は、日本に古くから自生していた樹木です。
古事記、日本書紀には、垂仁天皇が田道間守を常世の国に遣わして
「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)」と呼ばれる
不老不死の力を持った(永遠の命をもたらす)霊薬を持ち帰らせたという話が記されている。
京都御所紫宸殿では「右近橘、左近桜」として橘が植えられているところから、
サクラと同じように橘(柑橘類)は、日本が古来から大切にしていた植物であり、果実としては日本の代表といえます。
今でもミカンは私たち日本人にとって冬のビタミン源として、大切な果物です。
秋の終わりから出回り始めて、春が来るまでずっと果物屋さんに並ぶミカンは欠かせないもので、
冬の間じゅうこたつの上やキッチンのテーブルにあるという家は多いと思います。
好きな人は、箱買いして毎日食べたりしますね。
鳥たちのやっていることと、たいして変わりありません。
ミカンの実は私たちの期待を裏切らず、冬中ずっと手の届く場所にいてくれます。
私たち人間も、意識しなくても普段の生活の中で、大自然の流れに乗っているのです。
--- 2018年晩秋 結実 完 ---

