撮りためた生き物の写真を見ていたら、去年の秋に撮ったクラゲの写真が目に留まりました。
東京湾に浮かんでいたものです。スマホ撮影なので解像度が今一つですが、
静かな海岸を、柔らかい傘でバランスを取りながら、ゆらゆらと漂っているのがわかります。
日本の海で見られるミズクラゲである思います。
クラゲは通常は浮遊生活をする刺胞動物(触手に「刺胞」と呼ばれる針を持つ)で、
体はゼラチン質で柔らかく透明で、多くのものは全体的に傘のような形をしています。
調べたところによると、クラゲはいくつかの変態をして成長していく生き物で、
受精卵 → プラヌラ → ポリプ → エフィラ という過程を経て成体になると知りました。
幼生のなかの一つ「ポリプ」という幼生はたいへん再生能力が優れています。
ポリプはエビのプランクトンを捕食して生活する、一見イソギンチャクのような幼生ですが、
細かくすり潰してしまっても、しばらくするとバラバラになった細胞組織が集まり始め、
再びポリプとなって蘇るというから驚きです。
ポリプが成長するといくつもの「傘」を形成し、それが分かれてクラゲとなり、
一つのポリプがいくつものクラゲを生み出します。
さらに驚異的なのは、年を取って生命活動を終えようとしているクラゲから、ポリプが発生することがあるということです。
また、1990年代に、ペン先ほどの大きさしかないベニクラゲが
成体とポリプの間を行ったり来たりしていることが研究者によって発見されてから、
「不老不死のクラゲ」と呼ばれるようになったのです。
どの個体が、というような特定はできませんが、
クラゲの中には地球上における最高齢者がいる可能性が大きいということになります。
地球上の、人間以外の生物について調べていると、
知性や肉体構造が単純な生物ほど、
何かに特化した驚異的な能力を持っているのを発見して驚くことがよくあります。
それは彼らが余分なものを徹底的にそぎ落とした、
必要なものだけで生活していることによるところが大きいと思いますが、
自然界には、人間が学ぶべきヒントがたくさん散りばめられていることは確かです。
人間が未だ解明できていない「不老不死の秘術」を、クラゲははるか昔から知っています。
私たちは近い将来、大切なことをクラゲから学ぶことになるのかもしれません。
