テーマ記事として書いている「秋の七草」も、残すところあと2つとなりました。
今回取り上げるのは、女郎花。
秋になると細かい黄色い花を咲かせるこの花は、日本に古くからある多年草です。
大きいもので草丈1メートルくらいあり、
風に揺れる繊細な美しさが人の心を捉え、万葉集・源氏物語にも取り上げられています。
花言葉は「美人」。
細長い茎がスラっとした女性の首を思わせる女郎花は、昔から美しい女の人に例えられてきました。
いつ見ても風にゆれているところが上品で、雰囲気を持った美しさがあります。
日本の昔話で、こんなのを見つけました。
昔むかし、美しい女性が男の元を去っていくとき、山吹きの重ねの衣を脱ぎ捨てたのじゃが、
やがてその衣が朽ちると、その場所に、一輪の女郎花が咲き出てきた。
男はいとおしく想い、懐かしさのあまりに、思わず傍へかけ寄った。
すると、花はつれない顔で、風になびいて退いてしまう。
「はて、おかしな事があるものじゃ。」
と思うて男がが後ろへ下がると、花はまた元の場所に戻って咲いておる。
そんなことを何度か繰り返して男は、「これほどまでに私の思いがうっとおしかったのか。すまぬことをした。」
と思うようになった。
たいへん幻想的な美しいお話で、想像力をかきたてられます。
・・・
この民話で思ったのが、地球上の生物に欠かせない「風」のことです。
植物はある程度の風による空気の流れがあったほうが元気に育つ、
というのは、私がいろいろ育てているうちに気が付いたことなのですが、
地球上のほとんどの生き物にとって、風(空気の流れ)は欠かせません。
私たちが草原や森林など、大自然の中の植物を思い浮かべるとき、
まったく空気の流れがないよりも、葉が風にそよいでいたり、木々がざわめいている光景の方が、心地よく感じられるのではないでしょうか。
人間の呼吸も、ある種の風で、
水が川や海となって地球上を循環しているように、大気も地球上を移動しています。
ある程度の風は、人間にとってなくてはならない、心地よいものです。
だから風にたなびく植物の姿が、人間にとってたまらなく魅力的に感じられ、
幻想的な世界を作り出すのでしょう。

