・・・前回の続きです。
見えない師匠(自分自身)の強力なバックアップとともに進めてきたピアノの独学レッスンによって、難聴である自分を受け入れることができたわけですが、
「難聴なのはわかった。納得した。でも、音楽をやるのに苦労しないのはなぜ?」
という素朴な疑問がまだ残っていました。
これを調べるにあたってクローズアップされたナゾが、自分が絶対音感を持っているということでした。
何もなくても自分で音程を取ったり、聞こえてくる音を音階に置き換えることができる絶対音感は、頭の中に強固な「音程の物差し」を持っているようなものです。
「心の中で音程を識別できる能力」ということもできる絶対音感は、
持っていてもメリットがないわりには興味を引くようで、これをテーマに書かれた本が、ベストセラーになったりしたそうですね。
一方、相対音感というのがあります。基準となる音に対しての音の高さを識別する、誰でも持っている能力だということですが、
音楽の多くは、複数の音が組み合わさって美しく聞こえる(ハモる)ので、音楽をやるのに大事なのはこちらの方というのは明らかです。
相対音感について、ずいぶんいろいろ調べました。
下記は、私のピアノの鍵盤なのですが、
「ドレミファソラシド」の、黒いドから赤いドまでの間を一オクターブと言いますが、
白い鍵盤のあいだにある半音違いの黒鍵を合わせると、
一オクターブは12個の音でできているというのがよくわかります。
これは、人間が作った「音の規則」のようなものです。今の時代の私たちが耳にする曲の多くは、12平均律という規則でできています。無理やり当てはめているところもありますが、非常に理論的なものでもあるそうです。
これよりもっと一オクターブを細かく分けることもできるわけです。12の次に理にかなっているのは53平均律だと言っているのを見ました。学生さんが書いているブログだったと思うのですが、
1オクターブを12に分けるのだったら簡単に識別できても、53に分かれているとなると、音と音の違いはわずかになってしまいます。よっぽど鋭い音感を持っていないと違いを聞き取れなくなります。
音楽をやるのに必要とされる「良い耳」とは、音と音の僅かな差を聞き取る能力のことかもしれません。
...あまり専門的なことは私も知りませんが、
音は振動で、デジタルではないと思いますが、
音のことを追求していると数式やグラフに出会います。数字で美しさを表すことは、できるのでしょうか。
「人が美しいと感じる音の組み合わせ」を追及する手段が数字やグラフ(絵)である、とも言えるし、
私たちは音を数字で表そうとしていろいろ試行錯誤していると言えると思います。
音楽に色を感じる人もいます。私もその一人です。色彩で音楽を表せるかどうかと、考えてしまいます。
以前の文学の記事で、文章でイメージを表すことについて書きましたが、
同じように、音楽の美しさを数式で表現しようとする試みはあってもよさそうな気がします。
数式を見て美しい、と感じる人はいるかどうかわかりませんが、
音楽を理解しない人や、
もしも今後、地球外惑星との交流が始まって、聴覚を持たない生命体に出会ってしまったとき、
「美しい音楽とは」を説明する手段として数式を使う、というのはあるのではないかと思います。
余談ですが、難聴のことを調べると、オージオグラムというものに出会います。
「聞こえにくさ」を数字にしてグラフ化したものです。
以前、難聴の厚い壁を感じて病院を渡り歩いていたとき、精密検査の結果でもらった自分のオージオグラムのグラフを見ていると、なぜだか癒されました。
不思議なのですが、言葉で説明されるよりもグラフのほうが説得力があったのだと思います。数字を画像で表す「グラフ」もまた、表現方法のひとつと言えます。
音楽や文学のことだけにかぎらず、いろいろなものやことを表現する手段、人に伝える方法はひとつではないと実感します。言葉で伝わらなくても絵で伝える、音楽で伝える、というように。
音楽をはじめとして、音に関することを調べているとだいたい数字が出てきます。音は振動数の違いで表せるからです。音と数字は、密接に関わっているのですね。
今の時代に巷で言われているところによると、全てのものは振動しているそうなので、
突き詰めれば、全てのものは数字で表せるのかもしれません。
数字で表す音楽は、数字が苦手な人でも比較的わかりやすいのではないかと思います。
・・・ちょっと脱線気味になりました。【音楽】の記事はまだ続きます。
