6月24日 第11講 | だから構造家は、楽しい

6月24日 第11講

第11講

今回は、鉄筋コンクリート構造、がテーマ。

構造力学のことや荷重のことなど共通事項は話してきたので、そろそろ材料に応じた具体的な内容へ。


前回の荷重のときもそうでしたが、授業では、学芸出版社の

図説 やさしい構造設計/浅野 清昭
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を使っています。イラストもしっかりしているので、教えている側としては、教えやすいですし、授業中に教えきれなかったことも、ここに載っているから読んどいて、と言える。


実務者にとってのカユイところに手を届かせるには内容的に不足していますが、同じ学芸出版社さんからは実務者向けの本として、

実務から見たRC構造設計 改訂版/上野 嘉久
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のシリーズ(鉄骨版など)が出てるので、使い分けろということでしょうか。


って、僕は学芸出版社の回し者か。



で、授業の方は、ひととおりテキストをさらってしまい、理解度の確認には、一級建築士試験の過去問を使って演習。


不適当な選択肢はどれか?という恒例の問題の中に

15cm厚のスラブで最大曲げを受ける部分の長辺方向の配筋にD10を用いピッチを30cm以下にした

という選択肢があった。が、個人的には、D10@300  の配筋をするか?と言われるとうちの事務所ではまずやらない。長辺方向としか書いてないけれど4200×4250のほぼ正方形な長方形スラブということもあるわけだし、長辺だから300ピッチでよいというのも何か違う気がするんだよなぁ。


が、同じ問題の他の選択肢に、

梁のスリーブ径を梁せいの1/2とした

という選択肢があり、一般的にはそっちの方がより不適当なので、それが選択すべき選択肢で、先の300ピッチについては最も不適当ではない、とのことのようだ。


梁だって、耐震的に効かない長期のケアさえできている梁だったとしたら、別に補強検討もきちんとできていたら、アリな気はするんですけれどもね。D10を300ピッチって、どうなんでしょうかね。


こういうのは教えていて非常に困惑します。

ただ、教えている側が困惑すると、生徒はもっと困惑するだろうので、梁せいの件は、1/3までにしとくものです、と強く言い切るしかないのが、悲しいところです。