5月2日 オープンハウス
宇治市内にて弊社が構造を担当させていただいた住宅のオープンハウス。
在来軸組木造で平屋の住宅。
屋根の形状に特徴があります。
具体的には、平行ではない二本の直線(棟と軒)の間を直線材のみでつなぐことで表現できる曲面。
数学的に言えば線織面。(HP曲面などもこの仲間)
屋根の下は、中央のメインの空間から両サイドに向かい天井面・床面ともに連続させながら幅を狭めた通路空間。そのまま奥の部屋まで、つながっています。構造的には、つい水平梁で押さえたいところでしたが、主空間からの連続性を優先させるために我慢しました。
平屋でそれなりの壁量を確保できている平面計画でもあり、耐震あるいは耐風的に難易度の高い建物ではありません。
というわけで屋根をきっちり作ることに集中。
この手の木造の場合は、設計においては、難しいのは計算よりもディテール。
意匠的に外形から追うか内部空間から追うか、という毎度ながらの課題。
構造も、平面的に90度(あるいは45度)以外の角度で通り芯が重なるときの柱に対する部材の取り合いは、いつまでたっても、お決まりの良い解法、というのに出会えませんね。
ただ、こういう面倒なことが起きるのは、設計の初めからわかっている話なので、こういう計画に出会うときは、建築家自身が、そうした問題にどこまで真摯に向き合う覚悟があるか、でモノの善し悪しが決まります。
結局作るのは大工さんなわけで、大工の腕前が必要なことは当然のことながら、その大工に対し幾何学的な事柄やディテールの押さえ方からどのような加工であることが望ましいか、をきちんと伝える建築家のコミュニケーション力が必要、ということになります。
その点に関しては、建築家が非常によく頑張ってくれたこともあり、全体として上手くいったプロジェクトになったと思います。