4月22日 第3講 | だから構造家は、楽しい

4月22日 第3講

もう第3講。だが、あまり前には進んでいない。

今回のテーマはラーメン構造とブレース構造


昨年に引き続き、学生に宿題で簡単な模型を作らせてくる。

スタイロと爪楊枝と紐だけで作れる簡単模型。


基本的には、スタイロ4つで正方形を作るだけ。

その交差部に爪楊枝を刺して繋げるだけである。

正方形を立てたときに、基礎梁と柱2本と屋根梁の1フレームの平屋だと見立てる。


ラーメン構造とブレース構造と言い分けているのは、要するに水平力に対する抵抗の仕組みの違いをざっくり2通りに分けてみた、ということである。


ラーメンであれブレースであれ、とにかく、水平力に対して抵抗できなくてはならない。


4つの交差部に爪楊枝を1本ずつさした模型だと模型の角を横から押してみたら、簡単にバタッと倒れる。


が、その対角に2組の紐をかけてやれば、倒れることはない。

あるいは、角の爪楊枝を2本以上にしてやっても、倒れることはない。


前者がブレース構造で後者がラーメン構造ということである。


もうちょっと言うと、建物が負担すべき水平力が、何らかの方法で基礎まで伝達されるときに、

柱のせん断力で伝達するのがラーメン構造で、ブレースの軸力で伝達するのがブレース構造である。


では、4つの角すべてを2本以上(剛接)としてラーメンとしていた模型のうち、基礎側の2箇所を1本(ピン接)に戻してやると、どうなるか?


学生に考えさせ答えてもらい、そして、実際に横から押させてみる。

それが答えだ。

残念ながら決して全員正解とはいかないもの。


ので、授業でその理由を教える。


究極的に言えば、

地面から生えた(柱脚剛の)キャンティレバーが1個あれば、それでよろしい。

全部ピン接なら、2点が着地(支持点化)した三角形が1個できていれば、それでよろしい。


それらが複数あれば、なおよろしい、というだけの話である。

柱頭と柱脚部が、両方剛なのか剛+ピンなのかの違いでどういうメリット・デメリットがあるか、を教えてあげればよい話。


今年度の受講生は金沢出身なので、21世紀美術館の柱がなぜ細くてよいか、ということをセットに説明してあげると、生徒はきちんと理解してくれるものである。