ヴィヴィッド・テクノロジー
ヴィヴィッド・テクノロジー がいよいよ本日発売開始です。
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![](https://stat.ameba.jp/common_style/img/ameba/common/l_noimage.gif)
アーキフォーラム(2006-2007シリーズ)の講演録です。
全11章のうち7章が若手構造家による講演録です。
僕はそのうちの第7章を担当させていただきました。
若手構造家については、月刊誌上での座談会や個人にスポットをあてたミニ特集などはいくつかありましたが、こうした形式でここまでまとまった本はおそらくこれが初めてではないかと思います。
非常に読み応えがあり、かつ、とても面白い本になっています。
(僕自身が共著本の著者の一人でもあるので、自作を持ち上げるのは本当はおかしな話なのですが、なにせ自分の担当以外に10章分もありますので、著者というよりは読者の気分にもなれてしまいます。)
構造家だけでなく、
OMAの重松さん、今村創平さん、有馬裕之さん、木村博昭さんら建築家の講演も4本収録されておりますので、構造はちょっと苦手・・・という方であっても、そちらだけで十分に楽しめるものになっています。
その4本の中で一番面白かったのは重松さん。
重松さん曰く、ドバイを評して
ここまでアイコンが茶番化した都市で、建築はもっとベーシックに戻る必要があるのではないか。
と。
CCTVがまだ竣工していない状況でよくそんなこと言えたもんだな、とCCTVのコンペで負けてしまった側の僕としては思うのだけれども、所詮、負ければ賊軍か。。。(ちなみに彼の講演は2006年10月)
そのもう少し後の段落で、深セン証券取引所について
CCTVのような究極のアイコン建築をつくったあと後に何をつくるかは事務所にとって中国での方向性を明確にするという点でとてもプレッシャーのかかることでした。
と言いきってます。
つまり、建築物として完成していようがいまいが、CCTVという(究極の?)アイコン建築はすでにつくってしまった過去のモノだそうです。その割り切りがOMA的だということなのでしょうか。
世界の経済情勢を踏まえスターアーキテクトとして何をつくるか、という視点にはなかなかに触れられるものではありませんので、とにかく彼の話は軽快に読めました。
彼の講演はこのシリーズの趣旨からは少し外れてしまってはいるのですが、僕にとっては、そんなことはおかまいなしです。とにかく色々なことが腑に落ちましたので読めて満足です。
ですので、構造は苦手という方であっても、重松さんの話目当てに本を手にとってみて、そこから我々構造家のページに入ってきていただくという読み方でも良いかもしれません。
意外なくらいに構造然としない話のオンパレードですから。きっと読めると思います。
決してワールドワイドではありませんが。。。
章立てや各著者(講演者)のプロフィールについては学芸出版社のページ
にてご確認ください。
また、同じページから、代表編者の小野暁彦さんが、熱く書いてくださった、序文(はじめに)と結語(おわりに)を読むこともできます。
巻頭と巻末の往復書簡も各人の個性が現れていて面白いです。
入魂の一冊、是非、ご購入の上、ご覧くださいませ。