人は見た目が9割 | だから構造家は、楽しい

人は見た目が9割

竹内 一郎
人は見た目が9割

という刺激的なタイトルの本を読みました。


とても面白かったです。


見た目が9割というのは、ちょっと挑発的すぎる気もしないではないですが、真意を伝えるためには言葉のみでは7%程度しか伝わりませんよ、言葉以外の部分が93%ですよ、という意味のようです。言葉以外の部分をざっくりと「見た目」と言ったわけですね。ようするに『ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの大切さ』について書かれた本です。


漫画家であり演出家である、というこの著者のキャリアが活かされた本だと思いました。


絵・背景だけで気持ちが伝わる。コマの配置で迫力が変わる。

俳優のセリフの間で、喜怒哀楽の違いが伝わる。

俳優の立ち位置で、相手との関係が良なのか悪なのかが異なる。


そうした、著者のキャリアを活かした解説が混じることで本全体の説得力がましています。

そのため、著者のキャリアに直結していない一般論についても、読み手をうなずかせる構成上の上手さもあったかと思います。


ものの言い方、体感距離、タイミング、先入観、姿勢・・・


そういったモノたちのちょっとした違いで「同じモノ・出来事・気持ち・・・」が異なった印象でとらえられてしまうのが、現実です。


僕が、中学生の頃から、ずーっと「当たり前」と思っていて、自分なりに創意工夫していたことが、そのまま文章化されていたのですね。


ので、本を読んでみて、新しい何かを発見できて感激した、ではなく、未整理だったものが整理・再確認できて腑に落ちた、という感じでしょうか。


たまたまフラッと立ち寄った駅前の本屋で、何気なく手に取り、何となく気に入って買ったわけですが、偶然にしては出来過ぎていると思えてしまい、なんとも不思議です。