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リフォーム

部屋をリフォームしてから丁度1年たちました。


家族4人ですがワンルームでもあり、「かっこいい部屋」だと自分では思っています。

デザインはスープデザインの土井伸朗君がやってくれたんですが、施主である僕を大満足させてくれたわけで、良い仕事をしてくれたわけです。

でも、そもそもリフォームをした目的は「かっこいい部屋にすること」なんかではなく、「ゴキブリ退治」だったのです。


とにかくよく出たんですよ。

バルサンを幾度となく焚きましたが根本的な解決にはなりませんでした。

床と壁の小さな隙間を徹底的にコーキングしても、大型は発生しなくなりましたが、小さいヤツらは僕らの気づかない小さい隙間を通ってくるのですね。

家庭内ゴミの処分方法も工夫し、いくら清潔な暮らしをしてもダメなのです。

これは僕らの生活方法を改善するだけで解決する問題ではない

ということは簡単に理解できました。


梅雨時になり発生量が増えてきて、うちの奥さんが耐え切れずノイローゼになりかけてたので、思い切ってスケルトンの状態になるまでぶっ潰してのリフォームをしたのです。

スケルトン


SRC造のマンションですから、基本的には、戸境(壁・天井・床)と各種の管をチェックすれば、虫類がどの位置から進入しているのか予測できます。


壊してみて、一番あやしかったのは、トイレの裏の縦シャフト。コンクリートブロック壁がPSを囲っていたのですが、管理組合の承諾を得てそれも壊したところ、天井スラブに穴がポッカリあいていましたしかも上階トイレからの排水管の継ぎ目から水がポタポタと落ちている


上階から自由に虫は出入りできるし、しかも水が常時供給されている状態だったのです。

また、縦管自体が、最上階と最下階でしか横方向に固定されていない状態でした。これでは地震の時に建物の揺れ方と管の揺れ方が異なるので、水漏れ事故が発生し易い状態になっていたのですね。随分といい加減な施工をしていたものです。


水漏れについては、マンションの共有物の補修なので、修繕積立費で修理してもらい、穴は、モルタルを大工センターで自分で買ってきて、自分で練って塗りこみ埋めました。


他にも、風呂周りのガス管や水道管がPS壁を通ってくる際に穴があったので、そこも埋めましたね。

使わなくなった電気用の管なんかもパテ埋めしましたし。

とにかく、外部と繋がっている穴という穴は徹底的に塞ぎましたよ。

穴埋めby嫁


次に、あやしかったのが台所からの排水配管の勾配が十分に取れていなかったことです。一部で逆勾配が発生していました。年に1回高圧ポンプ清掃というのがあったので、そのときには流れていたのでしょうけれど、やはり、排水管の勾配という基本的要素ですらまっとうに施工ができていなかったのですね。

当然、新しく勾配を取り直しました。

排水管勾配調整


で、こんなところっていうのは、これからマンションや住宅を買おうとしている一般の人は気づきようがないわけですよ。モデルルームだろうが実物だろうが、所詮綺麗に仕上げられた後のものを見ての話ですから。販売員も、ちゃんと作られている、という前提でしかモノは言いませんし。

施工者や監理者のモラルを信じるしかないのが実情というのは非常に悲しいですね。


でも、おかげさまで、現在のところ、家の中にゴキちゃんたちの発生源ができているような感じはありません。