親バカ日記 | だから構造家は、楽しい

親バカ日記

僕には二人の子供がいる。
子供が成長していく姿を見ることは、親として、とても嬉しいことだ。
親としてのフィルターがかかっているので、いわゆる「親バカ」なことではあるのだが、客観的に見たとしても、その進化過程は非常に面白いのではないかと思うこともある。

長女は、そろそろ5歳になろうという4歳児である。
数字に強いのが、親として頼もしい。1000までなら普通に数えられる。
もちろん世の4歳児のスタンダードなどは全くわからないので、この「数字に強い」とか「頼もしい」という表現は、ただの「親バカ」でもある。

そんな彼女が、最近、足し算を覚え始めた。
最初は「足し算」といっても、答えが10で納まる問題しかできないのである。
つまり自分の指を使って「1、2、3・・・」と数えるのだ。

そこへ6+8という問題が登場した。
彼女にとってその時点での自分の能力を越える新たな問題に直面したわけだ。
どのような手段でそれを解決していくのか、親として非常にドキドキしながらそしてワクワクしながら見た。

彼女は「パパ、手を貸して」と言い、僕の指を6本をたて、自分は8本の指をたて、それらを1から順に14まで数えきった。で、笑顔で「14!」。ごもっとも。
自分の指が10本までしかないことを理解し、もう少し指が欲しいと考え、親の指を使えば事足りるだろうという発想があっただけでも、親としてはうれしい出来事だ。とにかく成長である。

そして、いくつかの答えが20以下の足し算をこなしたあとに、15+7という問題が登場した。
当然、2人の指の数を超えているので、僕と彼女の指を使うというこれまでの方法では解決できない問題なのである。でも、それは指を数え始めて初めて気づくことなのであるが、それを始めないのだ。どうやら二人分の指の数を超えていることを察知していたようである。僕は、彼女が「ママ、こっち来て」ぐらいのことを言い出すのだろうか、と想像していたら、さにあらん。
なんと、自分の指を7本たてて、
「じゅうご(15)」
とつぶやいた後、自分の指を、
「16、17、18、19、20、21、22」
と7つ分だけ数えたのである。で「22!」と笑顔で答えたのだ。僕の指も使っていない。
これには驚いた。「こいつ賢い!」
これまで、二人分の指を使って数えるという方法を重ねていくうちに、もはや1から15までの数を順に数える必要がないことを理解してしまっていたのだろう。

どの瞬間にそう理解できたのかは、聞いても答えてくれなかった。
「だって、15+7でしょ。」という返事である。
『なんでそんなことを聞くの?当たり前じゃない』というような感じであった。
少なくとも足し算の概念は理解している。なんとも嬉しいではないか。
ひょっとしたら、15まで数えるのが「面倒くさい」というような「ずぼらな発想」がそうさせたのかもしれないが、親としては、それでも十分だと思う。


ちなみに
3+□=9、で□の中は?
という問題は、既にできるようになってしまった。
+や=の記号の意味もわかっているようだ。

多分、夏頃には3桁+3桁くらいできてそうな雰囲気だ(←親バカ)。
小学校は入るまでには九九くらい覚えてそうな雰囲気だ(←超親バカ)。

とにかく、子供の成長を見るのは、この上ない喜びである。