常々言っているが、僕は数あるスポーツの中でラグビーが飛びぬけて好きである。
なぜ、ラグビーに惹かれるか。
数ある競技の中でおそらく最も大人数の15人という所帯の闘いなのでが、そこには
身体がでかく強いヤツは前線でスクラムでチームを守る。彼らは足が遅くても
構わない。足が速いヤツはサイドから切り込むために素早く動く。キックが得意なヤツ
はキッカーとしてチームに貢献する。つまりどんなタイプのヤツでも、それが秀でて
いればチームに貢献できるのである。
一つだけ、どのポジションでも要求される事は2m近い巨漢の相手にタックル
する「勇気」である。
しかも前に投げることは許されない。少しづつ、後ろの仲間に繋げながら、少しづつ前進
する。こんな泥臭く、しかし、ドラマティックなスポーツがあるだろうか。
そんな大好きなラグビーのワールドカップがいよいよ来週から開催される。今回はかなり
厳しい大会になるから、ひょっとすると大苦戦になりそうだが、これもまた現実。
そこでインビクタス
僕の大好きな「イーストウッド監督」作品だ。
昔は、このポスターを見て、ラグビー映画と思い観にいった。しかし、天下の
イーストウッド作品なので、そこにはもっと深いテーマがあることは容易に想像していたが
しかし、それを上回る大きな感動(爪痕)を与えるものだった。
南アフリカのアパルトヘイト政策に反して30年近く牢獄(まさにコンクリートのわずか2畳程度の部屋)
に収監されたネルソンマンデラ氏が刑期を経て出てから大統領となり、白人のスポーツである
ラグビーを通して国をまとめ上げてゆく様を描いる。最初は反発しあう白人と黒人達が少しづつ
理解しあい、最後のワールドカップでニュージーランドとの決勝で深い絆が生まれる。
その試合もかなり生々しく描いており、途中のスクラムのシーンではセリフ等はなく、ただ、汗みどろ
泥まみれの男たちが組み合い、激しく、しかし、しっかりルールを守りながら闘う。
あのスクラムの場面の多用は監督の意図するものなのかな?と思った。
ラグビーにはアメフトやサッカーなどの一発逆転はほとんどない。
やはり個性豊かな面々の協力で少しづつ前に向かう。それが原点であり、それがこのスポーツ
の醍醐味である。
この映画のテーマは、ラグビーではなく、ネルソンマンデラによる白人と黒人が共存できる国家
の樹立(そのプロセス)なのだが、しかし、だからこそ、このテーマを描くには「ラグビーが最も適している」
と強く感じる。
ああ、イカン!
ラグビーを語るとまた涙が出てきてしまう。
ちなみにサッカーワールドカップの優勝賞金は50億円。
ラグビーワールドカップの優勝賞金は・・・ゼロ 円です。
イカン、また涙が。。