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star & flower

∞eighter∞





そういえば最近、アイツが来ない。

ということは、彼女とうまくいってるってこと?

うまく、っていうか浮気相手だけどね。

アイツが幸せならそれで良いか、と嬉しくもある反面、ヒトリに戻ってしまった週末の夜が、淋しくもあり。

(ま、いっか…)

それぞれの日常に戻っただけ。






着信

「金曜の夜、どないすんの?」

「行くけど、自分は?」

「俺は、行く」

「そっか」

「おん、ほなまた…」

「うん」



数ヶ月ぶり、いつものメンバーが集まる。

ざわつく室内にアイツの姿はない。

なんとなく、周りの話から仕事で遅くなることを把握。


が、遅れて現れたアイツは、件の彼女を連れていた。

アイツが入れ込むぐらいだから、と無意識に想像していたのとは違ってた。

私しか実状を知らない彼女。

仲間の歓迎の中、集まりはまだ盛り上がり、流れていく。



今日はまたヒトリ、部屋に帰るだけ。

コンビニに寄る。

何気なく買ったものをよく見ると、アイツがいつも買ってきてくれていたものばかりだった。

アイツは私の好きなものばかり選んでいたんだ。

今になるまで気付けなかった、アイツの優しさ。
今になるまで気付けなかった、自分の気持ち。


仕方ない奴は、私だ。










あの日以来アイツは、何度もやってくる。

しかもアポなしで。

時には深夜にドアの前で待ってることもあるから、ちょっと、いやかなりビックリする。

「こんなとこで待ってるの彼氏に見られたらどうしてくれる?」

「おらんやろ?」

「うるっさいわ」



来る度に、飲んで潰れて朝まで眠る。

彼女とのエピソードのあれやこれや、如何に自分が彼女を好きか、何度も何度も繰り返す。

私といえば、繰り返される同じ話に、何度も何度も相槌を打つ。

他の友達には言えないから、と、ウチで溢していく。

女子か!

仕方ない奴。


けど、頻繁に会う内、今まで知らなかった面も見えてきた。

それは意外なこともあり、納得できるようなこともあり。

家族や今までの彼氏以外の人とこんなに長く過ごすことも希だから、不思議な気分でもあった。

毎週のように重ねられていく夜の出来事が、自分の中で当たり前になりつつあった。
いや、なっていた。

アイツは友達。

だけど特別な存在。

傷が癒えて欲しい、そして幸せになって欲しい、そう願っていた。









くつろいで飲んでいると、またぐったりし始めた。

今日のコイツは様子がおかしい。


「何かあったやろ?」

「んーーーーーー」

「言いたくなかったら別に良いけど」






「彼女と、微妙やねん」

「そーなん」

「ふられるかもしれんねん…」

「何か言われたん?」

「何もない…ねん…けど…なんとなく…今までとちゃうねん…」

「雰囲気で?」

「雰囲気で」






「あんな…」

「うん?」

「1人ちゃうねん」

「何が?」

「付き合ってんのが」

「誰と?」

「彼女と」

「は?」

「俺が、浮気相手やねんて」

「はぁ!?」






つまり。

元々、彼氏がいる人と付き合ってる。
自分は2番目でも良いと思ってたけど、段々苦しくなってきた。
分かってはいても、他の男の気配がするのは辛い。
そして最近、態度がよそよそしくなってるし、会える回数も減ってきた。

と。

女子か!

って突っ込みたくなる。


仕方ない奴。


一途なのに、いつも報われない相手を好きになる。

(またか………)

もう慣れたけど、そんなに辛い恋ならやめてしまえば良いのにとも思う。
友達が悲しむのはあまり気分の良いことじゃない。
話を聴くぐらいしかできないけど、力になってやりたいと思う。


眠ってしまった体に毛布をかけてやり、枕と水を置いておく。

仕方ない奴。






翌朝、目覚めると、アイツはまだ眠ってた。
朝食の準備をしていると、寝癖だらけの頭をかいて大きな体が動き出す。

「はよ」

「んー、食べる?」


何気ない朝の会話。

昨夜とは違う空気。


「仕事は?」

「午後から」

「シャワーする?」

「んー、一旦、帰るからええわ」

「そー」


何故か向かい合って摂る朝食。