明け方、はっきりしない頭で目を開けると、隣には侯くん。
横になり手を握っている。
「なぁ、泣いてたん?」
じっとこっちを見てる。
ドキっとして、目を逸らしてしまう。
「なんで泣いてたん?」
「やきもち、やいてくれたん?」
応えられなくて。
「俺な、別れてん」
驚いて顔を上げると、苦笑いして侯くんがぽつりぽつりと話す。
「昨日な、外出てから、ちゃんと話してきてん。
ほんで、別れてきた。
お互い、もうアカンなって思ってたし、
それでもなんとかなるかもって続けてきたけど…
やっぱりアカンかった。
もう気持ち、別のとこにあったし…
それで…それに………」
沈黙が続くその言葉の続きが知りたくて、瞳を覗き込む。
「寝惚けたフリしてチューしてもうたし!」
耳を真っ赤にして、早口に言う侯くん。
(!?)
こっちまで恥ずかしくなってくる。
「嘘…あれって、だって…」
私を引き寄せ、強く抱き締めて耳元で訊いてくる。
「なぁ、俺のこと、好き?」
(なんでそんなこと…)
「そんなん今、反則だよ…」
(ダメだ、声がふるえる…)
「嫌いなん?」
「好き、だよ」
私を抱き締める腕が更に強くなる。
「じゃあ、今日からはソファで寝るん禁止やで!」
(?)
「一緒に寝てって言ってんの!」
(!?)
「アカンの!?」
「アカンくはないけど…何も一緒じゃなくても…」
「充にだってお前の寝顔見せたくないって言ってんの!」
やっぱり顔が赤い侯くん。
「なぁ、アカン?」
(そんな顔されたら、ダメって言えないし)
「良い…けど…」
「ほな決まりやで!後で取り消すんナシやで!」
子供みたいな顔。
が一転、怪しい笑顔で一言。
「ただ、静かに寝かせてやれるかは、分かれへんけどな」
(!!!!)
心臓が止まるかと思った。
アタフタする私に侯くんが軽く口づける。
面食らっている私。
「仕事、頑張るわ」
また無邪気な笑顔を見せる。
コロコロと表情が変わったり、赤くなったり男らしくなったり、忙しい人。
一緒にいると見えてくる、実は色んなことに敏感な人。
(この人の側にいたいなぁ…)
あったかい気持ちになった朝。