パンデミックの午後 その⑤ <Jリーグから学べ>  | 俳茶居

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       義仲寺や秋立つ空に塚二つ (呑亀〉

パンデミックの午後 その⑤

 頑張ろう東京 <Jリーグから学べ> 

 

 Jリーグは、J1の再開を74日(J3は627日)とすると発表した。再開にあたりJリーグ内に、新型コロナウイルス感染に関するPCR検査センターを作り、2週間に一度のペースで選手・レフリー・関係者を検査した上で、無観客で開催するとの事である。第1回の検査は620日とされており、唾液による検査を採用する見込みとされている。既に516日にドイツのブンデスリーガが再開されたが、開催方法を参考にしたとされている。1回の検査数は56クラブ、230名になるとのことである。

私はこのニュースに喜んだ。このことが大きな一歩となり、他の組織であったり、各地域でのPCR検査拡充に道筋をつけてくれればと願うものである。

新型コロナウイルス感染症は病である。予防するワクチンはまだ開発されていない。特効薬もなく、5月7日厚労省が特例承認した「レムデシビル」は、もともとエボラ出血熱症に開発された薬品で世界や日本での研究結果や臨床実験をもとに急ぎ承認された薬だ。日本で開発された「アビガン」はインフルエンザの薬だが、催奇性の副作用などが知られており、まだ厚労省の新型コロナ感染症薬品として承認に至っていない。この現状で私達は常に感染の危険と共に暮らしているのである。感染しても80%の感染者は、軽い症状で終わる。しかし重症化すると死にいたる危険な病気であることは変わらない。

 

学校を救うためにJリーグ方式を導入すべき

〇同様な検査を実施して欲いいのが、学校へ通う子供達である。小・中学生、保育児童、幼稚園児、高校生、大学生と先生始め学校関係者だ。子供や青少年が、学校で思いきり遊んだり、スポーツに打ち込む姿が聞こえてこない。ソーシャルディスタンスの観点からも、現状ではスポーツに打ち込むことは難しい。しかし学校に通う学生達にPCR検査を定期的に行えば、感染者の早期発見と隔離が叶い、教育の場の安心担保が大きく進むのではないだろうか。一人一人の検査では無く、10人、20人を人単位とする検査方法で、経費を軽減することは可能だ。(抗体検査から、日本の感染率は1%に満たない現状(0.6%)で、子供たちの感染率は更に低いと考えられる)

 *新型コロナウイルス感染症の抗体検査の結果、東京都の陽性率は500検体で0.6パーセント(5月15日厚労省)

 

  新型コロナウイルス感染の第1次が終息期と言われている現在、自粛要請をメインとする方策は限界に来ている。緩めれば、クラスター感染がその部分で発生する。そのことで発生した地域や関連業種が、バッシングにも似た報道の対象となる。そうではなく、その地区を重点的に検査して、感染者を見つけ出し隔離することで感染者を減らす政策をとらなければ、この時期の有意義な新型コロナウイルス感染症対策とはならない。この不安定な首都の対策が危険だと考える。

                        2020年6月10日  俳茶居