パンデミックの朝  その⑧ | 俳茶居

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パンデミックの朝  その⑧

 

頑張ろう東京 

冷静にゴールデンウイークを乗り切ろう

 

今日は2020年4月27日、新型コロナウイルス感染被害は、中国に始まりアジアからヨーロッパそして世界を駆け巡りアフリカ、南米へと広がり南極以外の全大陸に広まった。ウイルスの研究は進んではいるが、特効薬やワクチンは出来ていない。ウイルスを国境でほぼ食い止め、感染者を押さえた台湾。PCR検査を大量に行い、感染者を早期発見・隔離治療に専念し、4月末現在感染者数が激減した韓国。この二国は現在医療崩壊を起していない。

日本はどうか。PCR検査は政府の目標(一日20,000件、4月6日総理発言)を発表したが、その後一日で最大件数は8,845件(厚労省調べ4月24日迄)と総理の思惑には届いていない。保健所や公的機関の限界が見えている。民間機関の参入が加速しなければ検査件数は頭打ちとなるであろう。2ヶ月以上前から、検査を増やすことを識者は言い続けてきたが、実際そうならなかった。これはクラスター潰しを中心的に推し進めようとした考えの失敗を意味する。総理自ら検査の大幅増を言い出したのだが、現実には検査件数は加速的に伸びていない。保健所など検査の実務部分は猛烈なオーバーワークになっているに違いない。自治体の長の現実認識と行動力が問われている。N95マスク等医療用マスク、ガウン、ゴーグルさらに人工呼吸器は足りているのか。重傷者ベッドは増えているのか。さらに医療従事者のマンパワーはどうか。彼等の戦力が低下しない手立てを考えなければ闘いには勝てない。政府、行政の担当者は彼らの声に敏感でなければならない。

 

やはり検査数を増やすことが大切。

頑張ろう東京、今年はお家でゴールデンウイークを

女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルス感染症で4月23日に亡くなられた。 63歳、乳癌で手術後放射線治療を受けていた。基礎疾患のある方は、免疫力が低下し重症化しやすい話しと符合する。4月3日の発熱から重症化して入院が6日、その日にPCR検査、7日に感染がわかった。重症化までに4日、この病の怖い所だ。埼玉でも50代の軽症者が、急に重篤化し亡くなった。感染が分かり自宅待機している時の出来事だった。軽症者でも隔離(ホテルも含み)し、医療担当者が見回れる状態を考えて行くと埼玉県知事は発言した。この時点でも多くの識者が発信してきた早期検査早期隔離、治療の考えは政府や行政には通じていなかった。

4月26日厚労省とりまとめによると世界の国別感染者死亡者は以下になっている。

      感染者    死者

米国    933933    53449

(NY州)  282143)   (16599

スペイン  223759    22902

イタリア  195351    26384

ドイツ   156418    5873

英国    148377    20319

フランス  124114    22614

トルコ   107773    2706

イラン   89328    5650

中国     82827    4632

ロシア    74505    681

ブラジル   58509    4016

日本     13182    348

韓国     10728    242

 

先進国の中で感染者が1万人台の日本と韓国は対比されている。それは韓国のPCR検査の徹底による感染者早期発見政策である。日本はその逆を選択したとしか考えられない。その結果今後の読みが分かり辛い。既に感染経路不明者が多数を占める。そのことは市中感染が蔓延していることを意味している。いつどこで感染するかわからない状態と言ってよい。「三蜜を避ける」、「ソーシャルディスタンスを保つ」、「ステイホーム」が感染を予防する手立てのままだ。そんな中漸く各地でドライブスルー検査や屋外のテントでのウォークスルー検査体制が少しずつ洗われてきている。しかし一方で医療崩壊の危機は無くなっていない。東京でも院内感染の報告は続いている。医療従事者だけではなく、緊急入院した患者を検査してみたら陽性となり、その間に感染が広まる例が増えてきている。医療崩壊を防ぐことと、検査数を増やすことは同義語と理解すべきである。                                                                                           2020年4月27日   俳茶居