2017年6月18日の記憶 | 俳茶居

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       義仲寺や秋立つ空に塚二つ (呑亀〉

 2017年6月18日の記憶

わが家のテッセンの花(2017年6月14日撮影)

 

 2017年6月18日の記憶を記録する。6月12日(月)、13日(火)、14日(水)の三日間国会議事堂前にいた。共謀罪の成立に反対する広範な市民の一人として、参議院法務委員会での法案審議の行方を見守った。審議は尽くされなかったどころか、中間報告という手法で、委員会での裁決をせず、本会議で直接採決する禁じ手を与党は使った。国民の基本的人権、知る権利、表現の自由、内心の自由が大きく制約される法案が成立した。2014年の秘密保護法、2015年の安保法制の変更による集団的自衛権容認(アメリカの戦争に加担できる)と現政権が数の論理に任せて推し進めた戦前回帰の政策は、新たな治安維持法である共謀罪となり2017年6月15日早朝参議院で可決成立した。政権与党はさらに2020年憲法改定に向け突き進む考えであろう。

 これらの政治の流れは、市民社会に新たな監視社会を作り上げるであろう。自由にものが言えない社会は72年前までのこの国の姿である。1941年制定の治安維持法が果たした役割と共謀罪法は酷似している。国民に真実が届かない社会、心情を吐露することでも密告へと繋がる社会は、健全な民主主義社会ではない。第二次世界大戦前夜この国の政治は、軍部主導の翼賛政権を生み出し戦争へと突き進んでいった。結果300万人の兵士や一般市民が犠牲者となった。(世界では3000万人が犠牲になったとされる。)

 もはや戦前である。この困難な状況から私達が再度健全な社会を取り戻すことは可能なのか。加計学園問題は国会での追及にも政府・内閣府は一斉違法性を認めず、また前文科省事務次官や関連人物の国会証人喚問にも応じないまま通常国会終了と同時に幕引きに懸命である。けっして許される事ではない。監視されるべきは政府であり内閣府である。2017年6月18日の記憶を記録する。               俳茶居