母は、ひとり暮らしの認知症。
ひとりで暮らしていると、今日が何日か、何曜日なのかが、よくわからない。
わかったところで、すぐ忘れてしまう。
以前にブログに書いたことがあるが…。
せっかく薬カレンダーを使っても、今日の薬が飲んだかどうかわからない。
そこで、ネットで調べて、デジタル日にち時計を購入した。
デジタルで、毎日の日にちが正確に表示される時計なので、その日にちと同じ数字のポケットの薬を取り出して飲む。
「飲みました」と書いた厚紙のフダを薬があったポケットに入れておく。
そうすれば、再び薬カレンダーの前に立った時に、デジタル日にち時計と薬カレンダーの数字のポケットをみる。
「飲みました」のフダがあれば、その日の薬は飲んだことになる。
認知症の薬は、飲み始めは2カ月ほど吐き気や食欲低下を起こす。
その間は、母を私の家に連れてきて薬を飲む練習をさせた。
母が薬に慣れて、ひとり暮らしに戻ってからは、
毎朝薬の時間に電話をして確認した。
母は、薬の存在すら忘れてしまう。
それでも、電話の子機を持ったまま、薬カレンダーとデジタル日にち時計の置いてある台所に誘導すると、ブツブツ文句を言いながらも従ってくれた。
薬なんか、知らん‼️ あー、あるある。
今日は、○○日やから…あ、「飲みました」って
入ってる。
ちょうど、朝ごはんを食べる席の前に置いてあり、「朝ごはんの後は薬を飲んでね。」とマジックで大きな貼りがみをした。
私は、月に一度母の家にお泊まりした朝、食卓テーブルから、ふらふらと薬を飲みに行く母を目撃した。
私が言わなくても、母が自分で薬を飲んだ。
まるで、飼い犬を躾けるような…。
今思っても、あれは、奇跡の調教だ。
やがて、母がデイサービスに行きだして、その回数が増えて、デイの朝はヘルパーさんがお手伝いと見守りに来てくれるようになっても、母は朝ごはんの後はほとんど自分で薬を飲んだ。
飲んでいない日は、ヘルパーさんが促してくれた。
認知症でも、そうでなくても、年寄りの中には薬を嫌がる人がいる。
そんな人は、口に含んでも、吐き出して捨てたり、服のポケットに入れたりするらしい。
母が、薬を嫌がらなかったのはラッキーだった。
薬カレンダーを嫌がったのには、骨が折れたが…
それも、遠い思い出となってしまった。

