義母との面会は、エレベーターをあがったフロアでした。
義母は、そこから扉の向こうのグループホームで生活しています。
2階のグループホームで、利用者さんが勝手に出て行かないように二重扉にしてあります。
エレベーターのボタンも隠してあります。
義母は、隅にあるテーブルの上の造花が気になるようです。
あら、きれいな花ねぇ〜。華やかないい色してるわー。素敵よねー。
どう見ても、造花です。しかも、埃がたまって、変色もしています。
義母がそう思うのなら、それでOK🙆♀️。
おふくろの部屋にも、あるやろ⁉️
あら、そう⁉️ これ、見てごらん。 きれいな花よねー。素敵やわー。
旦那は、仕方なしに、自分の携帯から息子たちの写真をだして義母に見せます。
義母の記憶の中、孫は小さい子供でしかありません。
ねぇ、花よ。花を見せてあげて。
いやー、きれいねぇ❗️ これは、桜⁉️ あ、あじさいも。 わぁ、いいわねぇー。
義母の顔つきが、一気にほころびました。
孫より、花か……なるほど。
花といえば、昔、転勤して地方で住んでいて、義父母が遊びにきた時です。
旦那が車を使ってゴルフに⛳️行ってしまいました。
山の上の一軒家集落。車がないとどこにも行けません。
おかあさん、お散歩でもしましょう。
このあたりのおうちは、庭にいろんな花が咲いていて、どこもとてもきれいなんですよ。
いいわ。よその家の花なんか、みたくないわよ。
衝撃的な言葉だったので、30年以上たっても覚えています。
義母は、小さな家にお嫁にきて、小さな植木鉢でしか花を育てることができなかった。
そんなやっかみの気持ちだったのでしょうか。
それなら、パートにでてお金を貯めて庭付きの家を買えばよかったのに…。
私なら、そうする。
私は、その賃貸の家の200つぼの庭。
乳幼児の育児さながら一日3時間の庭木や草の手入れにウンザリしたよ。もう、ごめん。
どこに咲いても、花は花。
義母も、認知症になって、車椅子生活になって、
そんなやっかみもなくなったのかな。
いや、心の奥底にしまっているのかも…。
今日も、暑い🥵