義母のグループホームに、旦那とふたりで面会に行った時のことです。


いつも、面会は義母の部屋です。

時間も30分と決められています。


私と旦那がそろそろ帰ろうと部屋を出た時のこと、ひとりの廊下をゆっくり歩いていた入居者のお婆さんと目があいました。


そのまま、そのお婆さんは私に寄ってきました。


おばあちゃん あなたね、あなたのお名前とお母さんのお名前は違うんでしょう⁉️ それは…■△○□


なにを言ってるのか、わかりません。

わからなくても、聞いているふりはできます。


空をさまよっているお婆さんの両手を握りました。

お婆さんは、私に寄りかかって、さらに話しかけようとしてきたのですが、職員さんが、割ってはいってきました。


パンダ ○○さん、次は私を触ってね。

はい。一緒にお見送りしましょうね。


女性の職員さんは、車椅子の義母とそのお婆さんを同時に引き寄せました。


おばあちゃん 私、なにかしたかしら‼️

私、なにか、悪いことしたの‼️


パンダ あ、してない、してない。

なにもしてないですよー。大丈夫ですよ。

あちらは暑いから、ここでサヨナラしましょう。


鍵のついた引き戸を開けて、エレベーターにのりました。


お父さん あの婆さん、お前の胸触ってたで。


いや、そんなことよりも、「なにか悪いことをしたの⁉️」と言ってプチパニックったお婆さん。


あの一瞬、ハッキリ力強く話したお婆さん。


認知症でも、感情は残る…。

認知症の感情って、こんなに細やかなんだ…。


「大丈夫、なにもしてないですよ。」って、私も

言ってあげたかったな。



おばあちゃん なんで、そないにえらっそうに言われなあかんねん‼️ 人をバカにして‼️


この間の母の声が聞こえてきた。


母が言うことをきかないから…って、思ってた。


母も、認知症。


身内だと、細やかな感情にまで寄りそってあげられないよ。


お母さん、すまん。