朝の5時に、家の電話が鳴った。


え⁉️ 母からの早朝電話は、3年程前からかかってこない。


なにかあったか⁉️


それとも、義母のほう⁉️


義母の病院からかかってくるには早すぎる。


どちらにしろ、緊急なら、ありうる。 そう、ありうること…。



同時に、枕元の携帯のタイマーが鳴った。


起きる時間で、よかった。



母から、だった。


おばあちゃん もしもしー。おかんちゃんか⁉️  今、あんた、うちに電話してきたか⁉️

   3回鳴ってから、すぐ切れてん。そやから、「今日は、デイに行く日やで。」って、

   あんたが電話してきたんかと思ってんけど、違うか⁉️ なんやってんやろな⁉️

   間違い電話かな⁉️   今日はデイに行く日やねん。カレンダーに丸ついてるからな。



認知症の私の母だった。



なんか、懐かしい。

怒る気にならない。照れ照れ


母が、デイサービスに行き始めた頃、私は毎朝、母に電話した。


カレンダーにデイに行く日に丸をつけて、横にデジタル日にち時計を置いている。

そして、デイの車が来る45分から30分前には、見守りヘルパーさんが来る。

なんなら、ヘルパーさんが来てから起きても大丈夫なくらいだけど…。


認知症初期の母は、デイの車を待たせてはいけない気持ちと、自分で用意する気持ち、

そして認知症からくるヘルパーさんが来るのを覚えられない気持ちで、不安がいっぱい。


やがて、私が母にするように、母も私に電話してくるようになった。



朝の5時から、デイの車が来る9時過ぎまで、母は一生懸命。


おばあちゃん ほんまに、車来るんかなあ。しんどいわあ。もう、デイ行くのやめよかなあ。

   行かんかったらゆっくり寝れるやん。やめるわー。


お母さん  デイやめたら、施設に引っ越さなあかんよ。そうするんか⁉️


おばあちゃん  なんでやねん‼️  この家におるよ‼️



弱音をはきながら、6年続いた。


朝早くに電話で起こされて、行きたくないと言われるのはキツイ。


しかし、朝起きて、自分ひとりで用意する母は、もっとキツイ。


起きて、服を着て、鞄の中をみて、朝ご飯を食べ…、その動作ひとつひとつができなくなる。

デイの鞄の用意だけでも、何十回もする。したことを忘れるから…。

できなくなる自覚も辛いだろう。



おばあちゃん 華ちゃんは、いいわ。全部、同居の嫁さんがしてくれる。化粧までしてもろてる。


華ちゃんは、あっという間に認知が進んで、特養に入った。

デイに行ったのは、1年足らずだった。

コロナ禍で、特養にも面会に行けない。



母は、まだ、電話ができたんだ。今朝だけかも、だけれど…。


おばあちゃん ほな、デイに行く用意するわ。今日は、丸ついてる日やねん‼️


お母さん はい。行っといで。頼むで‼️ (なにを頼むんやろ)



母は、不安になったのだろうか⁉️

それとも、急に数年前の感覚に戻ったのだろうか⁉️

もうそろそろ、私が家に来るのでは…と思うのだろうか⁉️


今日も、いい天気。


元気に、デイサービスに行ってくれ。照れ照れ