今年初 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 今日は今年最初のウニの口開け

 午前2時、海へ

 (ちょっと波が高そうだけど、中止するほどではないか)

 

 事務所に行ったんですが

 中止するか続行するか午前3時を過ぎても決まらず

 口開けランプを協議中の黄色にしました

 

 リミット直前になってそのまま続行することに

 

 この判断が本当に難しいんです

 ウニの品質がいいのは6月~8月の上旬ぐらいまでしかない

 おまけに働き方改革のおかげで土日祝日は買受人さんがウニを引き取ってくれないので平日しか採れません

 平日のうち、本当に条件がいいときだけを狙ってたら、おそらく年間5~6日しか採れないと思います

 かといって波が高いと海難事故の可能性が出てくるので

 ギリギリの線で折り合いを付けていかないとなりません

 

 

 沖へ行くと、けっこう波高く

 とはいえ、特に問題になるほどではない

 

 透明度は上々です

 少々波が高くても透明度が良ければなんとかなります

 それに、初回ですしね

 

 波が悪い!

 って苦情が来るかと思ったんですけど、特に苦情もなく

 事故もなく一安心

 

 

 帰港して、殻付きウニを受け渡しに行きましたら

 以前会ったことのあるテレビクルーの方がウニ口開けの取材に来られてまして

 「あれ?」

 「あっ!どうも、お疲れ様です。ご無沙汰しております」

 「そうですよね。田老町漁協の。似たような漁師さんがいるなと思って。ウニ漁に行かれるんですね」

 「はい。採ってきましたよ」

 「で、これからお仕事ですか?」

 「そうですね」

 「いや、ウニ採ってからお仕事されるんですか。凄いですね」

 「凄くない。皆やってますから、普通ですよ」(笑)

 

 

 すでに口開けしてる南の方の漁協さんでは、痩せてるとか色が悪いというので心配してましたが

 集荷されたウニはこのとおり

 立派です

 美味そう

 安心した

 


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