純サクラマス | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 岩手県沿岸のサクラマス(ママス)は、メスが海に下ってオスが川に残ります

 なので、遡上してくるサクラマスはほとんどがメス

 

 これまでサクラマスの資源を増やそうという試みはあったものの、純粋な田老産サクラマスの稚魚を生産しようとしてもオスがいない

 

 じゃ、天然のサクラマスはどうしてるの?ってことになりますね

 天然の場合は海から遡上してきたメスのサクラマスと川に残ったオスのサクラマスで受精するようです

 川に残ったサクラマスっていわゆる「ヤマメ」です

 

 

 それなら、海から遡上してきたサクラマスと川で獲ったヤマメで人工受精すればいいんじゃないかって事になりますけど、問題はそう単純じゃない

 残念ながら河川組合が放流している「ヤマメ」は関東系のヤマメで、オスメスともほとんど海に下らないんですね

 河川漁協が岩手由来の魚を放流したくたって、養殖してる「ヤマメ」はほぼ100%関東系のものなので選択肢がない

 

 つまり、川で獲ったヤマメは田老の川に昔からいた天然物なのか、関東系の放流魚なのか解りません

 

 でも、研究機関がDNAを調べたら田老川に遡上するサクラマスは独自の遺伝子を保ってる

 っていうことは、遡上してきたメスのサクラマスは、川にいるヤマメの中からちゃんと自分の仲間を見分けてるんですね

 数で行けば放流された関東系のヤマメの方がずっと多いはずなのに

 不思議ですね

 ニオイとかなんかで解るんだろうか?

 

 でも人間が見ても岩手なのか関東なのか解らない

 

 

 海から遡上したサクラマスの中にオスがいれば、それは天然、田老生まれ

 けど、ほとんどいないサクラマスのオス(泣)

 

 それがいたんですヨ

 去年

 

 遡上してきたオスとメスのサクラマスで受精させた完全オリジナルのサクラマス稚魚が大きく育って

 今日、田老川と摂待川へ帰って参りました

 来年の春まで川で過ごして、海へ下り

 再来年の春には立派なサクラマスとして帰ってきてくれるはず

 いやー待ち遠しい

 生粋の田老産サクラマスです↑

 

 


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