4億匹VS | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 先週の土曜日の報告会の中で、岩手大学の助教の方が話されていたこと

 

 岩手県のサケの放流数は約4億匹

 それに対して、サクラマス(ママス)は県北のふ化場で若干放流されているだけだそうです

 

 !?

 サクラマスはどっからくるの?

 

 「サクラマスもヤマメも同じ魚だから、川に放流したヤマメが海に下ってサクラマスになるんじゃねーの?」

 っていう方もいるかも知れませんが、そもそもヤマメとして放流されているのは多摩川水系のもので海には下らないんだそうな

 

 その研究者の方が岩手のサクラマスのDNAを解析したら、岩手県沿岸北部の系統と沿岸南部や北上川水系の系統に大きく分かれていて、北海道や日本海産のものとは明らかに異なり、岩手県の沿岸で漁獲されるサクラマスのほとんどは岩手県産のサクラマスなんだそうです

 


 ってことは、岩手で水揚げされるサクラマスは、天然で川に遡上したサクラマスが産んだ卵が自然の中でふ化して成長して海に下った野生の魚だってことになります

 他の地域から比べればだいぶ自然が残っている岩手の川とはいえ、やたらと堰堤があって川を上ることも難しいし、山の木をむちゃくちゃに切っているためか、ちょっとの雨でアマゾン川みたいな泥水になっちゃいます

 よくまあこんな川でふ化して自分の力だけで大きくなって海に下るよなー

 サクラマスの稚魚って凄いなあって思います

 

 なにしろ、サケはふ化して数ヶ月で海へ下るのに対して、サクラマスは1年以上川で暮らしてから海へ下るので、洪水とか渇水とか鵜とかサギとか釣り人とか色んな危険から逃れなくてはなりませんからね

 

 岩手だけでも4億匹も放流されているというサケは、資源保護のため稚魚のうちも、大きくなって帰ってきても河川で釣ることはできない規則になっているのに対し、ほとんど放流されていない天然魚頼みのサクラマスは川にいるうちはヤマメと見分けがつきませんからヤマメとして釣られているでしょうし、海から遡上したものも6月末までは釣ることが認められています

 

 あれ?逆なんじゃ・・・・

 岩手のサクラマスは大丈夫なんだろうか?

 ひょっとして絶滅しちゃうんじゃなかろうか・・・・

 不安になりました

 

 


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