今年は例年になくワカメの成長が早かったことと、休みなくコンスタントに収穫したことで、3月中に1,200tを越える水揚となりました
震災前の平成22年は100件ほどの経営体(今は68件)がありましたが、それでも3月の水揚げ量は760tでしたから、今年のハイペースたるやv(^-^)v
例年、漁期中に数日は雨が降って採取できなかったり、海がシケて数日休みになるもんですが、今年は雨が降ることもなく、シケることもなくて採取できなかった日が0日
私も養殖を担当して20年ほどになりますけど、こんなにコンスタントに収穫できた年はちょっと記憶にありません
他の漁協だと、わかめの価格を何日か単位に区切って、その時、その時で値決めしていくのですが、田老町漁協の場合は収穫前に終漁までの買い取り価格を組合員に提示します
養殖ロープの長さは決まっているので、漁業者にとっては重量MAXの時に収穫すれば、収入もMAXってことになります
でも、田老町漁協は組合員が生産するワカメの全量を買い取り加工しているので、漁期が集中してしまうと加工が間に合わなくなります
1日に100t以上ワカメが集まってくると「ひー!」ってなりますね
そこで、考えたのが、いつ収穫しても1m当たりの収入は変わらないという単価設定方法
わかめは3月の中旬から一気に成長して重量が増すので、重量と反比例するように初期は買い取り価格を高く設定して、漁期終盤に向けて価格を下げていくようにすると、どのタイミングで採っても1m当たりの収入は同じになるという設計です
そうすれば収穫が集中することもないし、漁業者も慌てることなく収穫できます
でも、そんなんできるの?
私のような長い数式を見ると拒絶反応を起こして頭がフリーズする人間には到底思いつかないスゴ技ですが、前任者のFさんはめちゃくちゃ数字に強いので、そのスゴ技計算式を作り出してしまいました。ワカメの生育係数から××して△△してどーにかすると出てくるんだそうな(すげー。いまだに解らん・・・・)
こうして、毎年漁期前に価格を提示することで漁業者も漁協も計画的に作業できるようにしているんですね
でも、収穫初期の単価が高いということは、初期に水揚げが集中すると平均単価が上がってしまいます
漁業者はいいのですが、加工部門は冷や汗もん(笑)
例年ですと、神の見えざる手(雨やシケ)で当初に想定した最終平均価格ぐらいに落ち着くんですが、今年は早期にドンっと集中して、すでに収穫を終えた方も多数
つまり、平均単価の上昇は避けられない状況です
「工場長、この価格で大丈夫っすか?」
「・・・・・・・」(汗)
「顔色悪いっすよ」(笑)
がんばって売りましょう
ねっ!