フォトギャラリーは77年18歳の冬、もう立派な女性の香りがただよいます。
プレイバック百恵の言葉は「映画」です。79年12月の「天使を誘惑」公開にあわせて、キネマ旬報で百恵、友和、藤田監督の座談会が行われた。
百恵は「私がやってきたのは文芸物が多く、ひとつひとつのの段階があって結末に向かい、初めと終わりのあるストーリーだったが、「天使を誘惑」はカップルのふだんのままを描いたもので、ドラマチックな悲劇があるわけでもなく、私に出来るのかなって、疑問に思いました。ふだんのままって、実際にやってみると、とても難しいですね」と話す。
「映画をやってきても知らないことがたくさんあり、今まではアイウエオで、今回は監督の掌に乗って教えていただこうと思います。自分の本当のデビュー作という意識です」と話す。
肌の調子が悪く断念したが、すっぴんの撮影まで検討されたくらいの熱意で挑んでいた仕事だった。
撮影開始前に「恋人宣言」があったが、この時点では結婚も引退も決まっていなかった(百恵としては決断していたようだが)。本人も悩んでいたのかもしれないが、「本当のデビュー作」と言いながら結果最後から2番目の作品となってしまう。と話しています。
岩井志麻子さんの「赤の壺」は、今回も中条パパのキャラクター分析です。中条パパは理想的な宇津井パパと最凶な三國パパの複合体で、反社会的な宇津井パパ、社会性のある三國パパともいえるか。
百恵が誘拐された時も体を張って守り、足が不自由になってもウサギといって可愛がった。叩き出した草笛を座敷に呼びつけ恥をかかせるが小切手を送る。これは非情に見えるが小切手で厚情ぶりを感じる。
座敷に呼んだのは「こんな俺でもまだ好きか」と問い、小切手を送ったのは「俺からは逃れられない」と念押ししたいのだ。と話しています。
曲はふだん、日常といえば、79年4月「A Face in a Vision」から「おだやかな構図」をどうぞ。映画のふだんとはイメージが違うけどこの方がいいね!
★おだやかな構図★
あと1年で成人。大人の仲間入り。
それにしてももう立派な女の香りがただよってくる。
by 紀信