暇だったので不思議な花 3を書きます。
それでは。
不思議な花 3
「・・優樹」
綾那は突然声を掛けられたにも関わらず、大して驚きもしなかった。
「・・何かあったのか?」
優樹が心配そうに綾那の顔をのぞきこむ。もう1人の男子も心配そうに見つめる。
『優樹は私のカワイイ弟』なんて言ったけど、それはもう大昔の話。
優樹は今では綾那の背をとっくに超えていた。
優樹の視線と声にちょっとドキドキしながらも、何があったのかを全て話した。
――――「それでか・・はぁ」
事の全てを知ると、優樹は呆れたのかため息をついた。
「くだらないでしょ?流奈は。まぁそこが面白いからずっと一緒にいるわけだけど・・」
「でも綾那、佐々木さんに俺の事『カワイイ弟』だって言ったんだろ?」
綾那はギクッと体を微妙に震わせた。
「確かに小っさい頃は綾那の方が姉貴みたいだったけどな・・」
綾那はうつむいたままで、優樹のほうを振り返ろうとしなかった。
すると優樹は、綾那の頭にポンと手を置いた。
綾那は一瞬体を震わせたが、優樹を見ようとはしなかった。それでも優樹は言った。
「今じゃとっくに俺の方が背ぇ高いし、力も強い。だから今から綾那は俺の『カワイイ妹』な!」
優樹はうつむいたままの綾那を見ながら、満面の笑みで言った。
「はぁぁぁ!?」
綾那はやっと優樹のほうを振り返った。顔はありえないほど真っ赤だった。
「何?悔しいの?主導権握られちゃって。今まで自分が支配してきたから支配されるのが怖いんだろ?」
優樹は綾那を見たまま、不敵な笑みを浮かべながら言った。
「このっ、ドS!私より背がちょっと高かったり力が強いってくらいで調子のんないで!」
「優樹もドSだな~(笑)」
ふと、優樹と一緒にいたもう一人の男子・村田 彰が言った。
「俺、一回ぐらいこうしてみたかったんだよね~」
優樹はニヤニヤしながら綾那を見つめた。
「変態!ドS!」
「おーおー、言えばいいじゃん、好きなだけ。反抗的な方が調教のしがいがあるし♪」
「ちょっ、何言って――」
綾那がしゃべっていたその時だった。
「何をやっているの!?ここは保健室前です!静かにしなさい!」
中にいた田中先生が鬼の形相で2人を叱った。
「ごめんなさい・・」
「ごめんなさい」
「えっ、俺も?・・ごめんなさい」
3人は、すぐ教室に戻るようにと言われた。
綾那はあの変態と一緒に教室まで行くなど言語道断だったので、先に走って教室まで行った。 途中でちらっと後ろを振り返ってみたが、2人は特に追いかけてくる様子もなく、ゆうゆうと歩いていた。それでも綾那は急いで教室まで走った。
でも、意味はなかった。
綾那と優樹(とついでに彰も)は、一緒のクラスなのだから。
綾那はすぐにどうしようか考えた。今教室に残っているのは数人だけ。もうじきあの2人も戻ってくる。
「・・そうだ。」
綾那は急いで絶好の隠れ場所へと急いだ。
続く
