三千円の使いかた
原田ひ香
2022/08/14
★ひとことまとめ★
読めばお金に関する知識がつく
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
垣谷美雨さん 絶賛!
「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」
就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!
【感想】
こちらもふらっとブックオフに立ち寄った時に購入した本です
御厨(みくりや)家の家族の面々が、それぞれの人生の節目でお金について考え、悩み、行動するお話です。
タイトルにもある通り、人は三千円の使い方で人生が決まる、という琴子の言葉から作品は始まります。
同じ三千円でも、人によって買う物選ぶ物は異なる。
それなりの金額をするものを、三千円を貯めてから買うのか。少額のものをちょこちょこ買って三千円を使いきるのか。はたまた、物ではなく経験や知識に三千円を使うのか。
どれがいい悪いではないし、同じ人でもその時々で使い方は変わると思うけれど、私の場合は登場人物で言うと美帆に近いな~と思いました
お金の使い方が人を表す、かぁ…。
お話を読んでいると、自分のお金の使い方はどうだろう?と考えさせられます。
私の場合は人から良く見られたいという気持ちから衝動的に買い物をしてしまうことが多いです
自分軸ではなく他人軸でお金を使ってしまう癖がなかなか直りません
なので、買ったものに対して満足感や思い入れ、大切に使おうという気持ちが湧きづらいんですよね~。ずっと欲しくて買ったというわけではなく、インスタや雑誌を見て衝動的に欲しいと思って買っているので。。。
結局、手っ取り早く違う自分になりたいとか、今より良い自分になりたいとか、そう思ってお金を使っているんですよね。
そんな付け焼刃ないんだけどな~
そう考えると、今の自分に自信が持てないという自己肯定感の低さの話になってくるので、お金の使い方を掘り下げてみると自分の考え方の根っこの部分がわかってくるなあと感じました
元彼との同棲の際、一緒に住む際の家具とか色々一式そろえた時に結構なお金を使ったのが本当に無駄だったな~。。。
結婚指輪も折半だったし…。私より300万円近く給料高いのにお金ないが口癖だったのが謎だったな~。
今は私は実家に帰ったので、地道にお金貯める生活というか、生活を立て直そうと思います
全6話のなかで、唯一御厨家ではない安生(琴子の友人)のお話がありますが、男の人は結構共感できる人もいるんじゃないかな~と思いました
いつか子供が欲しいな~と思っている私でも、少し共感してしまった…。
お金も手間もかかる。そんなに手間をかけて育てたところで、まっすぐに育つかどうかもわからない。(P169)
子供が、育ててください!と言って生まれたわけではなく、自分たちが子供が欲しいと思って産んだのだから、そんなのは承知の上だろって感じですが、それでも思ってしまうな~
お金も手間も愛もかけて育てたのに、反抗期に「クソババア」とか言われた日には私もブチ切れるかもしれない…けれど、その子供側も経験してるから気持ちはわからなくもない…。
子育てすることで、初めて当時の両親の気持ちを理解することができるんだろうな~…。
さすがに読むだけではお金は貯まりませんが、自分のお金の使い方を振り返るきっかけやお金の勉強になると思うのでおすすめです