1冊目:恍惚病棟 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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恍惚病棟

山田正紀

2021/12/??

 

 
 

 

 

★ひとことまとめ★

失いかけた記憶を活性化させた末路

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

死者からの電話がすべての始まりだった――。トリックを「知ってから」さらに深みを増す。ここまで驚かされる医療ミステリーがあっただろうか。
聖テレサ医大病院の老人病棟に入院している認知症の老婆が突如、行方不明になった。近所で倒れているところを病院アルバイトの学生・平野美穂が発見するが、直後に老婆は死亡。やがて同じ病棟の老人が次々に不可解な事故に巻き込まれていく。不審に思い、調べ始めた美穂は「死者から電話がかかってくる」という奇妙な証言を老人たちから得るが……。驚愕の医療ミステリー。

 

 

 

【あらすじ & 感想】

 あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします鏡餅

 

本年1冊目…と言いたいところですが実は昨年読んでいたのですが、ブログを書き忘れておりました…昇天

 

プロローグとエピローグと合わせると計9章で構成されていて、舞台は聖テレサ医大病院精神神経科、老人性痴呆症患者病棟。

章ごとに語り手が変わるが、メインの主人公は心理学を専攻している大学3年生の美穂。

聖テレサ医大病院精神神経科には将来のためにアルバイトとして働いている。

有能さを認められ、他の看護師のように何人か自分の受け持ち老人を抱えている。

 

美穂の担当している老人たち、通称テレフォン・クラブのメンバーは同じテーブルに座り、テーブルに設置されている電話を使い楽しそうに会話をしている。といっても、研修医の新谷と相談して設置したプラスチック製の電話機だ。

それぞれが、亡くなった夫、とっくにいなくなったバーテン、友人などと、思い思いの会話を楽しんでいた。

 

そんなある日、テレフォン・クラブのメンバーの伊藤道子が失踪。彼女を探しに行った美穂は、近所のスーパーマーケットで倒れている道子を発見する。

道子は病院に運ばれるも、治療もむなしく亡くなってしまった。

治療室から運び出される道子を見て、美穂はある違和感を感じる。

 

しかし道子の死はきっかけに過ぎず、テレフォン・クラブのメンバーが次々異様な事故に巻き込まれ、死者は増えていく…

 

 

 

電話する行為が事件の鍵を握っているんだろうな~というのは初めから薄々と感じてはいましたが、ちょっと残念ですね~。

オチのスケールが壮大で現実離れし過ぎていると感じてしまったのと、人物のミスリードまでぶっ込まれているので、読み終わったあとは「どういうこと???」って頭の中がハテナマークでした。

騙された~!!!って気持ちより先に、単純に話の理解ができないという気持ちになってしまいました…驚き(私の頭の問題かしら…)

 

そんな気持ちでモヤモヤとしていたため、読んだ後もブログを書かずに放置してしまっていた…あせる

 

 

ただ、このお話に書かれている「認知症の方に最後まで残っている記憶を刺激して活発にすれば、失われた全体の記憶も復活できるのでは?」ということについては興味深いなと思いました。

 

自分自身脳って不思議だな~と普段から感じているのですが、平常時はまったく思い出さないような(それこそ忘れたと感じているような)記憶でも、夢で出てきたりするんですよね。

小学校の同級生が出てきて、顔も鮮明に出てきたり。

普段使わない、思いださない記憶でも、きちんと残っているんだな~と思いますキョロキョロひらめき電球

 

私の祖母2人も認知症でしたが、2人は真逆の症状でした。

1人はおしゃべり好きだったのに発症してから全く話さなくなってしまい、もう1人は発症してからも変わらず沢山おしゃべりしていました。(話の内容は要領を得ないのですが)

 

おしゃべり好きだった祖母が全く話さなくなったのにはショックでしたね…

人が変わったようになってしまって。

 

もう1人の祖母は沢山おしゃべりしていましたが、主に10代後半~30代くらいのお話をしていたと思います。

お話のベースや登場人物は実際に経験したことや実在した人物のようなのですが、その組み合わせはめちゃくちゃです驚き

私の父が、祖母の仕事先の上司になっていたり。(そういえば祖母の話には祖父が全然出て来なかったような…)

このお話を構成している記憶っていうのは、どういう基準で残った記憶なんですかね~うさぎはてなマーク

祖母の中ではとても印象的だった出来事や人物だったのでしょうか。

 

大切な思い出や自分の子供・孫も忘れてしまうのはとても悲しいですし、認知症から改善してほしいという気持ちは有りますが、作品の中でも書かれているように人の記憶を勝手に刺激することはやっぱり禁忌だとも思います。

脳が活性化して改善すれば良いですが、失敗した場合かろうじて残った記憶まで消えてしまったり、脳の機能がより一層衰えてしまったりしてしまうのでは…。

そうなるともう、昔行われていたロボトミー手術と近いものになってしまうのでは…。

悪用すれば、その人の記憶の操作や、人格を変えることも出来てしまいそうですよね。

 

昔60年くらいだった寿命が今は80年以上に延びましたが、よくよく考えれば80年以上同じ肉体・内臓を使用するってすごいですよね。

機械は壊れたら部品交換などできますが、人間はそれができない…泣くうさぎ壊れたら(悪くなったら)もうどうにもならないという部分も多い。(目や耳など)

パソコンならHDDやSSDなど容量の増設もできますが、人間はもちろんそれもできない…。自分の脳に収まるように、残す記憶・捨てる記憶の取捨選択をしないといけない。

そりゃ、80年以上も生きていれば脳の病気(認知症)にもなるよなと思います。

80年以上、同じ脳を使って生きているということがすごい…。

 

私の寿命が何歳なのかはわからないけれど、その時残っている記憶はどんな記憶なんだろう?

大切な家族や友人との思い出は忘れないでいれたらいいな~と思いますショボーン