ディック・ブルーナのすべて 改訂版
講談社
2021/12/14
★ひとことまとめ★
ミッフィーちゃんの服ってオレンジじゃなくて赤なの知ってました?
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
時代を超え、世界中で愛され続ける絵本作家
心やすらぐブルーナ世界(ワールド)の秘密
●ミッフィー、ボリス、スナッフィー……ブルーナ絵本の人気者たちが勢揃い。性格、特長、誕生秘話などを分析します。
●ミッフィーはなぜ、いつもまっすぐこちらをみつめているの?ブルーナワールドに隠されている数々の秘密を解明。
●秘蔵写真とともにたどる誕生から現在までの足跡。ブルーナはじめ、夫人、3人の子供たちのインタビューも。素顔に迫ります。
●母国オランダのブルーナゆかりの地を最新取材をもとに紹介。
●装幀、ポスター、切手、ロゴ……幅広い今までの仕事を公開。再び人気の“ブラックベア”も登場します。
【感想】
悲しいお話からですが…
今朝、LINEニュースを見て神田沙也加さんの死を知りました
春馬くんや竹内結子さんのときもそうだったけれど、活躍してる人が急に亡くなるのはやはりショックですね……。
最近は遠ざかってますが、ソードアート・オンライン(以下SAO)にハマってた時期があって、
SAOの映画を見に行ったことがあります。
前情報無しで見に行って、「ユナの声、神田沙也加かなぁ?歌も良いなあ~」って思いました。
アナ雪のアナも本当にぴったりだったし、無邪気な可愛さ、少女らしさのある声がとても得意ですよね!
生まれや育ちの面で色々苦労もあったのかもしれないですが、今はアニメ声優・ミュージカル女優として成功し活躍されているイメージだったので、なんというか……
なんでなのかなぁ…他に道はなかったのかなぁ…って気持ちになります。
年齢も近いっちゃ近いので、色々考えてしまいますね…。うーん。
切り替えて…
今回はディック・ブルーナさんについての本です。
経歴、ミッフィーちゃんを含む作品について、彼の活動や家族のコメントなど、彼に関するあらゆることが記されている本です
ひとことまとめ部分にも書いたのですが、
私、ミッフィー展にも行ったことあるのに、
ミッフィーちゃんの服がオレンジだと思っていたんです
私が色弱で色がわからないとかそういう意味ではなく、ディック・ブルーナはオレンジに見えるこの色を「赤」だと言っています。
「赤と青と黄と黒だけを使う世界。僕はそこに緑と茶とグレーをたしました。が、それ以上の色は使いません。」(P27)
え、、、赤なの、、、これはオレンジではないの、、、?
ディック・ブルーナはアンリ・マチスから影響を受けたそうですが、アンリ・マチスの絵はたしかに一般的な”赤”なんですよねぇ…(オレンジっぽいのもありますが)
あと衝撃だったのは、
ぶたのポピーさんとグランティの日本での名称。(↓後列中央と前列左)
うたこさんとふがこちゃん…。
うたこさんはまだしも、ふがこ…
絶対ぶただからフガフガでふがこじゃん…
もっとぶーちゃんとか可愛いのにしてあげたらよかった…
ディック・ブルーナの絵本が、基本12場面構成なのは、幼児が読書を含めた遊びに集中できる限界が10分ということに着目し、その間に読み切れるページ数にしたためだそうです
登場人物はいつも正面を向いていますが…
いつも正面を向いていることで、読者と登場人物の視線があい、深い信頼関係が生まれるそうです
ミッフィーちゃんの表情はとてもシンプルですが、読む人が想像力を働かせたり自身の体験を重ね合わせることで、十人十色の受け取り方となります。
そしてブルーナの経歴ですが…
ブルーナは戦争も経験しましたが、裕福な家庭に生まれました。
父は曾祖父が立ち上げた出版社を継ぎ経営者。
家によく芸術家も招き、たくさんの本にも囲まれて幼少期を過ごしました
中学時代はアコーディオンに興味を持ち、作曲もするほどに。美術にものめりこみ、戦時中での疎開先では描いた絵を売って砂糖やバターなどと物々交換をするほど、絵の才能を発揮
美術の道に進むことを決め、高校を中退し父の出版社に入社。父から依頼された本の装丁を試みると、それが好評となり本格的に絵の道に
画家になることを決心し父を説得し退社して一度は画家を目指すも、恋人の父親が「正業についていない男性でないと(結婚は認められない)」ということで出版社に出戻り
専属デザイナーとして年間100冊以上の本の装丁を行い、ついに自身の初めての絵本を出版。
恋人の父親にも認められ結婚。翌年には長男も誕生。以降次男、長女も産まれる
仕事をすればするほど、評価は上昇していった…。
なんか…本人なりに苦労はたくさんあったと思いますが、この文章だけ読むとすごく順風満帆なストーリーだ…
というか、子供のころからたくさんの本や家族の愛に包まれていたからこそ、ミッフィーちゃんが書けたのかもしれないですね。
最後は必ずハッピーエンドで終わるストーリーにしてるところも、たくさんの幸せを経験したからこそ他の人にも幸せな気持ちになってもらいたい、と思えるのかなと
色々紆余曲折を経験していると、ひねくれたお話も作ってみたくなったり、人生そう甘くないみたいなストーリーになりそうですが、そんなのが一切ないところが、本当に幸せと愛に包まれていた人生を送ったんだなあと思いました。
ミッフィーちゃんなど絵本の絵はとってもシンプルですが、画家を目指していただけあって絵がとても上手です。
この本を読んで改めて思ったのですが、シンプルな絵を描けたり、デフォルメして描ける人って、相当絵の能力が高いですよね
基礎がしっかりしているからこそ、シンプルな絵も上手。
パブロ・ピカソなどもそうですよね。こちらのサイトを見ていただければわかるのですが、美術で習ったゲルニカのイメージですが、10代の頃の絵、上手すぎます…。
何年何十年経っても愛されるイラスト、キャラクターを生みだすってすごいな~と改めて感じました。
何年経っても古く感じないのは、ディック・ブルーナがモットーとしていた"シンプル"だからこそですよね~