63冊目:魔眼の匣の殺人 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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魔眼の匣の殺人

今村 昌弘

2021/09/15

 

 

 

★ひとことまとめ★

ミステリー×超常現象おばけ

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

あと二日で、四人死ぬ――
閉ざされた“匣"の中で告げられた死の予言は成就するのか。
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾!

その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。

 

 

【感想】

屍人荘の殺人シリーズの2作目です乙女のトキメキ

3作目が出たとのことで、2作目も読んでおこうと思い読んだ次第です本

 

ミステリー×超常現象は、TRICKを思い出しますよね~ラブ

TRICK大好きだったな~

あの独特な雰囲気や間の取り方、至る所に詰め込まれたギャグ要素とか本当に面白かったな~。

SPECも好きでしたが、やっぱりTRICKには敵わないなあ…。仲間さんと阿部ちゃんのコンビは最強でした筋肉(仲間さんと生瀬さんの掛け合いも好きだった…ごくせんとかも。)

 

と、作品からずれましたが、超常現象が起こる中での謎解きというのは色々な要素が絡み合って読んでいてハラハラしますねおばけくん

前回はゾンビ×ミステリー、今回は予知×ミステリーです。

 

前回の紫湛荘での一件で、主人公の葉村譲は自身の所属するミステリー愛好会会長の明智を亡くしてしまった。2人しかいなかったミステリー愛好会メンバーは、譲一人になってしまった。

紫湛荘での事件を共に解決した剣崎比留子を新たにメンバーに迎え、新生ミステリー愛好会として活動を再開する。

 

紫湛荘の事件に班目機関が関係していることを知り、班目機関について調べ続ける2人。

ある時、班目機関について記載されていると思われる雑誌の記事を目にした2人は、記事に記載されていたとされる旧真雁地区、通称”魔眼の匣”の調査に向かう。

旧真雁地区にやってきた2人だったが、不思議なことにどの家にも住民が一人もいない。

道中、同じように何か目的があり真雁地区に向かう高校生2人組や、墓参りに訪れていた元住人の女性、車両トラブルで立ち往生していた親子、バイクがガス欠で困っている男性たちと出会い、彼らと共に住人を探しに魔眼の匣に向かう。

 

かつて魔眼の匣では、班目機関により超能力者の研究が行われていた。しかし魔眼の匣での研究は数十年前に打ち切られており、いまではその時の超能力者の一人・サキミと言う、未来を予知することができる老婆のみが住んでいるという。

サキミに遣える使用人に案内され、魔眼の匣に入っていく一行。

 

建物内には譲と比留子が魔眼の匣に来るきっかけとなった雑誌の編集者もおり、サキミと話をさせてくれと言っている。

彼は、編集部宛に「サキミの予言によって人が死ぬことになる」という内容の差出人不明の手紙が届いた旨を話し始める。

 

例の予言というのは、

「十一月の最後の二日間に、真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ」

サキミの予言は絶対に当たる。そして、どんな手段を使っても防ぐことはできない。

 

今日がまさにその予言の初日。旧真雁地区に住人が全くいなかったのは、みな予言を恐れ避難していたためだった。

予言の内容を聞いた一行は魔眼の匣から引き返そうと試みたが、戻るための橋が予知を恐れる住人により燃やされてしまい、彼らは魔眼の匣に閉じ込められてしまうー…

電話線は切られており携帯電話も圏外のため、外との連絡手段も経たれてしまっている。

一行は助けが来るまでの間、魔眼の匣に滞在せざるを得なくなってしまった。

 

祈祷により予知ができるサキミや、十数分先に起こる異変を絵として描くことができる女子高生、その他それぞれ何らかの事情を抱えていそうな面々。彼らと共に何とか犠牲者を出さずに済むよう調査を進めていくが…。

 

 

またまたクローズドサークルですイヒ

今回の作品は読んでいて、この人怪しいな?(単に怪しいと思った)って人が犯人でした笑

ただ、「はい!犯人でした~!解決!!」ではなく、最後の最後比留子によって真の黒幕が暴かれます。

 

興味深かったのは、身近に起こる異変を予知して絵に描くことができる能力を逆手に取り、これから自分が(故意に)起こそうとする異変を(あえて)予知させる。という部分と、絵に描いてある状況が誰かの身に起きてしまうなら、他人を絵の状況に近づけてやればいい(そうすれば自分は逃げられる)、という部分です。人間ピンチになると思考が働くんですね。。。

自分が死から逃れるために、別の誰かを予知とそっくりな状況に陥れるというのは驚きましたね。犯人がそこまでして死から逃れたい理由もきちんと書かれているので、ぜひ読んで「なるほどな~」と思っていただきたいですね。

 

読んでいて、へぇ~!(トリビア…古…)と思ったことなのですが、

 

「弾丸ってのはね、高速で体内に侵入することで起きる衝撃波によってダメージを与えるのよ。弾頭の素材や形状にもよるけど、貫通

しにくいということは体の中で衝撃波として大量のエネルギーを使っているということ。だから獣を倒したい時は先が丸く貫通力の低い弾丸で大ダメージを与えるのよ。」(P240)

 

そうなんですねキョロキョロ

葉村くんの言うように、「貫通力が高い方が射程も長いし、威力も高い」と思っていました~。

獣などには貫通させず、体内に衝撃波を与える方が有効なんですね…。

そう考えると、作品中に出てくる被害者の遺体の損壊具合がどれだけひどいかというのが容易に想像できます。。。

 

シリーズ3作目も読みたいな~お願いラブラブ