ことり
小川 洋子
2021/07/26
★ひとことまとめ★
小鳥に一生をささげた小父さんのお話
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
12年ぶり、待望の書き下ろし長編小説。
親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、
そして彼の言葉をただ一人世の中でわかるのは弟だけだ。
小鳥たちは兄弟の前で、競って歌を披露し、息継ぎを惜しむくらいに、一所懸命歌った。
兄はあらゆる医療的な試みにもかかわらず、人間の言葉を話せない。
青空薬局で棒つきキャンディーを買って、その包み紙で小鳥ブローチをつくって過ごす。
やがて両親は死に、兄は幼稚園の鳥小屋を見学しながら、そのさえずりを聴く。
弟は働きながら、夜はラジオに耳を傾ける。
静かで、温かな二人の生活が続いた。小さな、ひたむきな幸せ……。
そして時は過ぎゆき、兄は亡くなり、 弟は図書館司書との淡い恋、鈴虫を小箱に入れて持ち歩く老人、文鳥の耳飾りの少女と出会いながら、「小鳥の小父さん」になってゆく。
世の片隅で、小鳥たちの声だけに耳を澄ます兄弟のつつしみ深い一生が、やさしくせつない会心作。
【感想】
突然ですが最近ハマってるYoutubeチャンネルを紹介します
雨穴(うけつ)さん
こちらの動画がオススメに出てきて、全動画一気に見ちゃいました
FingerPanicが一番好きです。
バーバパパさん
ウ"ィ"エ"が中毒性があって好きですが、はここに貼り付けたらアカン気がします。。。
(バズったので知ってる方もいるかも知れません!ヒカキンさんも動画出してました)
不気味なのが好きなだったり、EDMが好きな人は調べてみてください!
さて、今回はだいぶ前にいただいて、積ん読状態で読んでいなかった本です
また新しく本をたくさんいただいたので、そろそろ読まなければ…!ということで読みました。
ある時から人間の言葉をしゃべらなくなってしまった兄と、唯一兄の言葉が理解できる弟・小鳥の小父さんのお話です。
兄の話す言葉はどの国の言葉でもなく自分で生み出したもので、その言葉に一番近いのは”小鳥のさえずり”だった。
小鳥とのコミュニケーションは取れるが、人間とはコミュニケーションが取れない兄。
母が亡くなり、父も亡くなり…小鳥の小父さんは兄を支え2人で生きていく。
人間の言葉を話せず文字も書けないが、こだわりが強いとのことなので、お兄さんは自閉症なのかな?と思いました。
荷物の詰め方にこだわりがあったり、バッグの中身を何度も定期的に確認しないと気がすまなかったり。
この作品には、わ~!っと盛り上がる部分はありません。
むしろ、小鳥の小父さんが死後時間が経って発見されるシーンから始まるので、冒頭から悲しいシーンです。
小鳥の小父さんの生涯を振り返るお話となっております。
両親が亡くなってしまい、働くことのできない兄を養うためにゲストハウスで働き続ける小鳥の小父さん。
親しい人と言えばお兄さんしかおらず、友人も親戚も恋人もいません。なので、人とのコミュニケーションも不器用です。
お兄さんが生きている間は、 まるで兄を支えるためだけに生きているよう。
旅行に行きたくても、直前になりお兄さんが嫌がるので、旅行にもいけません。旅行先を決め、旅行の荷物のパッキング作業をしつつ旅先の妄想をする。それが二人にとっての"旅行"でした。
そんな毎日でも、小鳥の小父さんはお兄さんが大好きだったので、お兄さんとの暮らしは辛いものではありませんでした。大きなイベントはないものの、ささやかな幸せな時間が流れていました。
お兄さんが亡くなってからの小父さんの人生のほうが悲しかったです
生前からお兄さんと小鳥小屋を見るために通っていた幼稚園。ボランティアで小鳥小屋の清掃をし始め、図書館に通ったりと自分の人生を生き始めた小父さん。
しばらくは小父さんの穏やかな日々が続きますが、図書館の司書さんへ好意を抱き始めたあたりから雲行きが怪しくなります。。。
要人も訪れるゲストハウスであれば、監視カメラくらいありますよね。。
お兄さんとの世界しか知らないからか、監視カメラという存在もあまり知らなかったのかなあ~。。
最期の時をメジロと過ごすことができて、小父さんは幸せだったと思います。
ですが、身寄りもなく、死後しばらく経過してから発見されるというのは…悲しいです
私の祖父も鳥が大好きで、生前は文鳥、インコ、カナリア、スズメ、メジロを飼っていました。(※野鳥を飼うのは法律違反です)
祖父との散歩するとき、このお話に出てくるような小鳥小屋のある幼稚園があり、散歩の途中でよく寄っていました。
祖父はインコを寄付したりもしていましたね〜
いまもまだあるのかな?いつか見に行ってみようと思います。
必要最低限な小父さんの暮らし・人生に、幸せってなんだろうな〜、と考えさせられる作品でした