11冊目:通信設備が一番わかる (しくみ図解)
真江島 光、坂林 和重
2021/03/20
【Amazon内容紹介】
情報通通信を支える技術としくみをわかりやく解説します
情報技術には必要不可欠な基盤となる通信設備。主要な設備としては、電話、ローカル・エリア・ネットワークや光ファイバーケーブルに大別されます。
ローカル・エリア・ネットワークは、一施設内程度の規模で用いられるコンピュータネットワークとして、一般家庭、企業のオフィスや研究所、工場などで広く使用されています。
光ファイバーケーブルは、主に通信会社の幹線や企業への高速通信回線(ATMなど)の引込み線として使われてきましたが、近年は、光を信号として扱う情報通信分野で主に利用されています。
本書は、通信設備のしくみや身近な応用例から、徹底的に通信設備の概念を理解しようとするものです。通信設備の概念をしっかりと捉えることで、通信設備の理解をより深めることができます。
【感想】
またまた仕事の本です
こちらの本は結構専門的な内容も書かれているので、あまりにも難しい部分は流し読み程度にしました
ほぼすべての内容が私の仕事で必要な知識で、載っている範囲が広いので(電話~ネットセキュリティまで書いてある)とても参考になりました。
仕事上役立つ知識は仕事用のOneNoteにまとめているのですが、OneNoteにまとめるほどではないけれど、雑学的な知識や、普段の生活でも役に立ちそうなことを書きます
・ヨーロッパでは腕木通信(18世紀~19世紀)という数メートルの3本の棒を組み合わせたその形で通信を行われました。通信速度は、80km/minであり、10km~30km感覚で腕木通信と設置して、リレーをすることで長距離の情報伝達を可能にしていました。ピーク時には、4,081kmもの距離での通信を可能にしました。(P12)
→日本では手旗信号の一種の、旗振り通信が使用されていたので腕木通信は使われていなかったようですが、同じようなものです。下の画像のような建物(腕木通信機)を見晴らしのいい場所に設置し、建物の上部には3本の棒で作ったアンテナのようなものが設置されているので、そのアンテナの形を変えることでアルファベットを表現する。
画像はこちらからお借りしました
A地点の腕木通信機が形を変えると、B地点の腕木通信機の中の人が形を目視し、同じ形に変更する。それをC地点の腕木通信機の中の人が目視し…というやりかたで、スタート地点からゴール地点までメッセージを伝える。伝言ゲームの規模が大きい版ですね
1分で80kmということは、仮に10kmごとに腕木通信機が設置されているとすると、9台の腕木通信機で1台(10km)に伝えるのに7.5秒くらいってことだと思うんですが、結構大変ですよね
前の腕木通信機を目視して、7秒くらいで形を変えるのか…。。
・1870年代には、ベル研究所で電話が発明されました。(中略)日本製のベル式電話機の1号は1878年に完成されました。(P14)
→グラハム・ベルという人物が、1876年2月14日に電話の特許を出願したのが電話の始まりです。アメリカでは特許を先に出願した人が優先されるのでベルが特許をとっていますが、アメリカでは他にイライシャ・グレイという人物も発明をしていました。
ただ、2002年にアメリカで行われた議会で、「電話を発明したのはイタリアのアントニオ・メウッチ」と認められたため、それを踏まえると電話の発明をしたのはメウッチということになります。(メウッチさんは1854年に発明していた。)
ちなみに、電話機の「ベル」は「グラハム・”ベル”」からきているのかと思いましたが、それについては関係がありませんでした。が、音量の単位を示す「デシベル」は、グラハム・ベルさんからきているようです。
・(電話の)接続に仕様していたのは現在でも使用されている直径6.3mm(1/4インチ)のプラグ・ジャックです。ホーンプラグ・ジャックと呼ばれるのは、これに由来します。
→フォーンプラグ(phone plug)ってことですね。ちなみにこれ↓
画像はこちらからお借りしました。
・消防の119番と警察の110番は、なぜ119番と110番なのか?これは、緊急時での電話のかけ間違いを少なくするためとされています。
決めた当時は、回転ダイヤル式電話しかありませんでした。回転式ダイヤルの穴に指を入れて回転させますが、このとき隣に穴の空いていない番号は1番と0番になります。隣に穴の空いていない番号にすることで、指を入れる際に間違いが発生しないよう配慮されています。
一方消防署は、昭和2年まで「112」となっていました。しかし、接続ミスが多かったこと、最後に9番を回すことにより落ち着いて話すことができるようにとの理由で119番になっています。(P42)
→1番は隣に穴がないのもそうですし、回す距離が一番短いからみたいですね。2番はその次に短いって理由で採用されたようですが、結局かけ間違いが多くて変えられちゃったんですね。。。9番は落ち着いてかけられるかと言われたらハテナ?ですが、2番より良くなったってことなんですね。110番は0番が一番ダイヤルを回す距離が長いから、ダイヤルを回している間に考える時間をとるという目的で採用されたようですが、回している間に冷静に考えられるかというと微妙ですよね
いまはもうプッシュ式になってしまったので、どちらも意味がなくなってしまいましたね。
・IP電話は、ネットワークを使用した電話サービスを指します。VoIP技術により音声をパケットに変換し、インターネットを通じて音声パケットを送信する伝送です。(P64)
→IP電話では、110、119などの3桁はかけられません。(緊急電話の仕組みとして、最寄の警察署、消防署の本部に繋がるようになっている。090、080などの一般的な携帯電話番号は、位置情報を送信する機能があるので最寄の本部に繋がるようになっている。)
IP電話の場合はインターネットに接続する場合にプロバイダからランダムにIPアドレスが割り当てられますが、IDとパスワードの情報しかないため位置の特定ができない=近くの警察署や消防署がわからない=つなげない(かけることができない)。
ブログには書いていませんが、個人的にはISDNについての仕組みがわかりやすかったです!