老後の資金がありません
垣谷美雨
2020/02/12
★ひとことまとめ★
コツコツ貯めてきたお金が、一瞬でなくなってしまうのはなんとも悲しい…
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
しっかり貯金して老後の備えは万全だったわが家に、突然金難がふりかかる! 後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるという。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?普通の主婦ががんばる傑作長編。【感想】
だいぶ前に本屋さんに行ったときに、次読みたい本をいくつかピックアップしていた際に、ピックアップしていた本です

家族モノ、若干のコメディーモノ?はあまり読まないジャンルなのですが、気になったので読んでみました

老後の資金をコツコツと節約し貯金してきた篤子。
しかし、娘・さやかが結婚することになり、しかも相手の実家は岐阜県内でスーパーのチェーン店を手広く経営しているとのことで、披露宴は盛大に行い取引先を招待するとのことで、かかる費用はなんと600万円。両家で折半したとしても300万円。
さやか自身はアルバイトのためもちろんそんな金額は払えない。とすると親が負担するしかない…。
かたや、生け花教室で出会ってから20数年来の友人であるサツキは、息子・知行の結婚式には30万円ほどしか援助しないと言う。知行自身は1500万円近く貯金しているようだが、結婚相手が地味婚を希望しているため、お金はかけないのだと言う。
自分の娘の結婚式とサツキの息子の結婚式を比較し悶々としている篤子に、さらに舅の葬式費用の話までもが降りかかる。
老後のために貯金していた資金がどんどん減っていくことに不安を感じながらもなんとか日々節約しながら生活をする篤子だったが、そんな中篤子は働いていた会社から契約更新はしないと言われてしまう。
さらに、結婚し家を出た娘の夫からのDV問題も浮上する…
という、人生で色々重なるタイミングの女性が主人公のお話しです。私はまだ子ども側なので感情移入はあまりしませんでしたが、お金って本当に大事だよなと…。
正直結婚式とかお葬式とか、そこまでお金かける必要ないよなあという考えなので、篤子と同じく棺桶に12万円…?燃やすのに…?と思ってしまいます

まあ相手も商売ですし、毎年毎年同じ人から購入してもらうようなビジネスではないため、ひとつの商品にお金がかかるのはわかりますが(ブライダルとか葬儀関係とか)、にしてもお葬式とかすごく高いですよね

戒名書いてもらうのとかも…死ぬときにもこんなお金かかるなんてね…自分は祖父母が亡くなったときに、父母が親戚と金銭的に揉めて、まではいきませんがゴタゴタしていたのは見ていたので、普段は考えないけれど、亡くなったときのお金についても考えておくのは大事だなと思うきっかけになりました。
死んだときに家族(いるかどうかわかりませんが)に金銭的負担かけないように私は死亡保険入っていますが、実際保険金がいくら入って、相続税はどうかとか(FPの資格もとったんですが、普段仕事で使うわけでもないのですっかり忘れた)、お葬式にいくらくらいかかるかとか、元気なうちにちゃんと考えておかないといけないよなと思いました、改めて。
死ぬときまで周りに迷惑かけるのはねえ…。
自分は今働けているけれど、もし50代で首になったら、とか、結婚相手が無職になったらとか、病気でお金かかるようになったらとか、色々考えさせられました。
働けるうちにお金できるだけ貯めないととは思いますが、自分のやりたいこととか趣味にお金をかけたい気持ちもあるし、そのバランスが難しいですね

さらに、自分が母親にもしなったときに、子ども最優先にはなるだろうけれど、自分の人生だってあるわけだし。難しい~お金ほんと大事~。
このお話にも書かれているように、慎ましく暮らしていると思った友人に秘密があったり、裕福そうだと思っていた人は実は犯罪を犯していたり、見かけだけじゃその人の幸福度というか、そういうものは測れないよなあと思いました。
前々回くらいに読んだアンソロジー「嘘と約束」でのなかのお話で、替え玉のお話しがあったんですが、現実世界でこんな替え玉みたいなことあるのかねwと書きましたが、まさにこのお話のなかで替え玉のこと書かれていましたw
実際に役所のかたって見回りにくるんでしょうか?そして本当にこんな適当なチェックの仕方なのか…?
でも、たしかに古くからの知り合いじゃないと、そのお年寄りが本人かなんてわからないよね。写真とか見ただけじゃ、う~ん、ちょっと雰囲気は変わったけど本人かな?って思うことあるよね。そう考えたら替え玉って以外とできてしまうものなのかもしれない…

内容はとても読みやすかったです

特に、篤子と年齢の近いかただったらより一層篤子に感情移入できるのではないかなと思いました
