すーちゃんの恋
益田ミリ
2019/03/03
★ひとことまとめ★
アラサーの心に染み渡ります
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
子供を産む人生と産まない人生。柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶ主演映画化決定!!
前作(どうしても嫌いな人)でカフェを辞めたすーちゃんが転職した先は保育園。調理師として働き始めて5カ月が過ぎようとしている。
ベテランに囲まれて、子供たちと過ごす尊い時間。いつの間にか37歳になって、あと3年で40歳になるけれど、子供の頃に想像していたのとちょっと違う。いや、かーなーり違う。37歳といえば、結婚して子供を産んで、「お母さん」として生きていると思っていたのに、結婚どころか、彼氏もいないし。
そんなすーちゃんにある日訪れる「久々のときめき」。カフェで働いていたときに少し気になっていたお客さん「土田さん」(書店員)と偶然再会したのである。「なんかあったらメールください」と言われて、「やった〜」と喜ぶすーちゃん。さて、土田さんにメールするのでしょうか。
【感想】
すーちゃんシリーズの続きです◎
この作品はタイトルどおり、すーちゃんが恋をする話。
漫画なので、前回通り心にズシッと来たセリフを上げてきます。
すーちゃんとさわ子さんのやり取りにて、さわ子さんのセリフ
「友達に子供生まれてお祝いとか届けに行くじゃない?
抱っこしていいよって渡されても、ホントはそういうのいらないってゆーか
抱き方とか不自然でまごまごしてる自分がイヤなんだよね」(P22)
これはほんとにそうなんだよなあと。友達側からしたら、自分の子供だし自分の友達に抱っこしてほしいって気持ちとか、ほら!赤ちゃんかわいいでしょ!みたいな気持ちがあるのかもしれないけれど、こちらからすると友達だけど、他人の子供だし、嫌抱っことかいいです、なんだけど、断ったらまるで子供嫌いみたいに思われそうだし…。
さわ子さんのつぶやき
「結婚せず、子供を産まない女の人はたくさんいる
あの俳優だってあのタレントだってあの作家だって
数えて安心してみたところで 結局他人の人生なんだよなあ」(P31)
本当なら、別に安心する必要も不安になる必要もないのにね。
自分の人生なんだから。でも、なんだか他の人と比べて不安になってしまうんだよね~。だから、自分と同じような人もたくさんいるって考えて、安心したいけど、安心しても他人だしね…
すーちゃんのつぶやき
「久しぶりに会う女友達 子供が小さいとたいていゆっくり話せなくて けど、そんなことはなんともないよ!って顔をしていることが 今のあたしにできる友への優しさなのではないかと思い けど、 やっぱりちょっと、やっぱりちょっと つまらないのだった」(P63)
友達は子供連れて息抜きしたいのだろうけれど、がやがやしたファミレスでろくに話しもできず、子供のギャン泣きに付き合わされて、友達の子育ての愚痴や結婚生活の話をされて、お金払って帰るなら、一人でゆっくりカフェでお茶するほうがすごく有意義と思ってしまう私は鬼なのでしょうか…
実際子育てしてる友達に、結婚しちゃいなよ~とか仕事やめられるし(その子は専業主婦みたいな感じだった)って言われたとき、この時間まじ無駄だな~って思ったしなあ。
こっちは仕事してるし時間に余裕もあるけど、そんな話はできないし、相手の苦労話に「うん、うん、大変だね」って言うだけの時間。苦痛すぎた。
やっぱり同じ女でも、いる場所(独身、子無し既婚、子有り既婚)
が違うと話もうまくできないんだよね。
すーちゃんのつぶやき
「あたしの人生 人生ってなんなんだろうって これまでだって考えなかったわけじゃない でも、あと3年もすると40歳になる今、『お母さん』になる人生とならない人生っていう新たなるお代を与えられてるみたいな」(P103)
「誰かに『そっちの道は失敗だったでしょ』
って思われるのが怖いのかも」(P105)
自分の人生なんだから、なんだっていいんだろうけれど、
ほら!やっぱりあのとき結婚してれば!子供生んでれば!もっといい人生だったのに!みたいに思われるのが怖いんだよねほんと、誰かにの誰かって誰だよなんだけど
すーちゃんのつぶやき
「こっけいだけど、 あきれちゃうんだけど、
自分っぽいとゆーかさ まあ、なんか わかるというか いいところばかりにその人らしさがあるんじゃなくて おかしなところもあるあたし全体が あたしなわけで
これが、味わい? みたいなものになってるのではないか?」(P119)
全部なんでもできちゃって、完璧人間だったら面白みないよな~って思うんだよね。恋愛で相手にも思うんだけど、変な所とかそういう部分が隙があるようにみえるというか、なんでもできちゃう完璧な人ってなんか愛嬌みたいなものが感じられないと言うか。
保育園の園長の奥さんからの言葉
「それでよかったって思う生き方をすれば なんともないのよ
それにね、そんな言い方しなくてもいいの
『逃げ出した』なんて 言葉にしばられずそのまま受けとめればいいの 『逃げた』じゃなく『辞めた』それだけのことよ」(P126)
こういう考え方ができていたら、学生のころとか社会人なりたてのころ、もっと生きやすかったかもしれない。
すーちゃんのつぶやき
「子供時代のあたしと大人のあたしは 一本の線でつながっている
長いつきあいだなあ 子供を産むのかもしれない
産まないのかもしれない それはまた 直面していくことなんだろう
あ~保留ボタンがどんどん増えていく気がする~
でも、どんなふうに生きようと 最後の最後まで
『自分』でしかないんだよな~
てゆーか 『お母さん』になるってったって
自分のお墓に『お母さん』って書くわけでなし」(P129-130)
ほんとそれなすぎます。親になったって、ならなくたって、自分はずっと自分のままなんだよね。
人間は1日に大体6万回思考するらしく、それは寝たい食べたいみたいなものから、悩みとか、喜びとか。
そのうち8割はネガティブな思考らしいです。人それぞれだとも思うけれど。
すーちゃん読んでると、自分もホント1日いろんなこと考えてるし、あーでもないこーでもないを一人心の中で考えるけど、できればハッピーなことを考えていきたいよな~と思うなあ