スタッキング可能
松田青子
2018/11/08
★ひとことまとめ★
理解しようと思って読まない方が良いかな
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
『あなた』と『わたし』は交換可能?
5階A田、6階B野、4階C川、7階D山、10階E木……似ているけれどどこか違う人々が各フロアで働いているオフィスビル――女とは、男とは、社会とは、家族とは……同調圧力に溢れる社会で、それぞれの『武器』を手に不条理と戦う『わたしたち』を描いた、著者初の小説集が待望の文庫化!
文庫本書き下ろし短篇「タッパー」を収録。解説は穂村弘さん。
*第4回Twitter文学賞(国内部門)第1位/キノベス! 2014第3位/三島由紀夫賞候補/野間文芸新人賞候補
【感想】
出版禁止が読み終わらない前にこちらが読み終わってしまった。王様のブランチの本で紹介されていたので読みました。
この本は…ネットで調べた時に、「賛否両論分かれる」と書かれていたんだけれど、確かにそうだと思った。私みたいに、どういうことなのか?D田とは誰だ?D山と違うのか?とか、はっきりと答えを求めてしまう人には向いていない本だと思う。
なぜかというと、それこそがこの本のテーマというか、皮肉というか、伝えたいことだから。どのCだって、Dだって、誰だって同じようなもん。誰かが誰かと入れ替わっても、同じようなもの。どのオフィスの、どの階に行ったって、同じようなCとかDがいて、「わたし」と同じようなことを考えている「わたし」もいて…。ようは、世の中だいたいみんなおんなじわけで。
冒頭にも書いた通り、自分はこれはどういうことなのか?とはっきり答えを求めてしまうタイプだから、読んでも読んでも理解ができない(当たり前だよね書き手がそもそも理解できるものとして書いてないんだから)作品は苦手だから、スタッキング可能も読むのが結構苦痛だった。
だって正直いってわけがわからないよ、だよ。そもそも、わけがわかるものでもないんだから、この反応が正しいんだろうけれど。
わけはわからなかったけれど、読み終わったらなんだかしんみりしたというか、たくさんの人が乗ってる、通勤電車のなか、都会のオフィスビルの中、人混みのなかで、だいたいの人は、置き変えられる。
誰かが今日仕事を辞めたとしても、しばらくたてば同じような誰かがその席を埋める。わたしの生活の中で、わたし以外の人はだいたい置き換えられる。誰かの生活の中では、わたしも置き換えることが可能な存在なのかもしれない。誰かの中ではAで、また誰かの中ではCとして、そんな感じで存在してる。
なんかそうやって考えていたらしんみりしてきて~。でも、置き換えがだいたい可能だからこそ、自分は、わたしは、わたしでなければならないというか、うーん難しい。
もうすぐ結婚する女もそうだね。もうすぐ結婚する女、という言葉は特定のだれかを指してるわけではなく、文字通りもうすぐ結婚する女のことで。その結婚する女が誰を指しているのかを推測したとしても無駄です。読めばわかるけれど複数人いるし、この人のことかと思いきや次の結婚する女についてを話していたみたいな感じだから。
なーんかいろいろ相手に思っていることがあったとしても、ただ単にそういうカテゴライズだけすれば楽だなあ。
もうすぐ結婚する女か、もう結婚した女か、まだ結婚しない女、みたいなカテゴライズ。例えばどこか一つのポイントだけを重視するような評価方法をすれば、悩むこともないよなあ。あの人は、常識はちょっとないけれど、でも優しいから…とか、いくつも評価する基準があるから悩む。
でも評価基準?カテゴライズ基準?が常識があるかないか、であれば、常識がないひとは常識がない、であって、常識がない人にカテゴライズされるから、優しいうんぬんはカテゴライズに影響を及ぼさないというか。。あれもこれもと考えるから悩んでしまうけれど。。。
って、別にこのお話が伝えたことはそういうことではないと思うけれど。
ウォータープルーフ嘘ばっかりは、感想サイトとかでは評価が高いみたいだけれど、なんだろうぴんとこなかったなあ。言いたいことはわかるって感じ。
松田青子さん難しいな~。読み取れない感じ、理解ができない感じが私は苦手なんだろうなあ。
ほかの作品も同じような書き方なのかなあ?
おそらくこんな考えさせるために書いた本ではないのだろうけれど、読んでいていろいろ考えてしまった!