あなたに、大切な香りの記憶はありますか?
阿川佐和子・石田衣良・角田光代・熊谷達也
小池真理子・重松清・朱川湊人・高樹のぶ子
2018/08/15
★ひとことまとめ★
さくさくっと読めます。読みやすい小説家さんばかり。
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
「香り」の記憶は何かのはずみに想いだす、忘れがたいもの。人気作家8人(阿川佐和子、石田衣良、角田光代、熊谷達也、小池真理子、重松清、朱川湊人、高樹のぶ子)が「記憶の中の忘れがたい香り」をテーマに競作。あなたの中のかけがえのない記憶を呼び覚ます贅沢なアンソロジー。さあ、8つの扉のどこからでもお入り下さい。
【感想】
読みやすいアンソロジーをレディ・ジョーカー読みながら同時進行で読んでました。
・夢の香り(石田衣良)
たぶんこれなにか他ので読んだ気がするんだけれど、わすれちゃった。
夢で嗅いだ香りに出会うってこと、私はいままで経験したことないな。デジャヴみたいな感じなんだろうか。そんな香りを持った人に出会ってみたいな~。
・父とガムと彼女(角田光代)
幼少期家に来ていたベビーシッターの初子さんと父親が不倫関係にあったのでは、とずっと疑っていた喜実。父が亡くなり、その疑問を母親にぶつけるとあっさりと否定をされたので、長年疑い続けていたことに馬鹿馬鹿しくなるが・・・。
不倫相手を葬式に呼ぶって、全てを許していないとできないというか、私はとてもできないと思う。いくら同じ相手を愛した戦友みたいな感じだとしても、無理だ。当時のお母さんの心境は辛かっただろうな・・・。
・いちば童子(朱川湊人)
なんだかほっこりするお話だった。座敷わらしじゃなく、市場童子。
・アンタさん(阿川佐和子)
阿川さんの話し方が苦手すぎて作品までも苦手意識が。
・ロックとブルースに還る夜(熊谷達也)
最後から5行のところをもう少し深掘りしてほしかった!!!!過去恋い焦がれた人なのかどうかもうちょっと知りたかった!ご想像におまかせみたいな感じなのかもしれないけれど><
・スワン・レイク(小池真理子)
旦那さんが亡くなってから、2人の思い出の地に行くって、いろいろけじめとか区切りがついてないとなかなか厳しいものがあるよね。それも、事故で急に亡くなったとかだと。神様みたいな人と結婚して、幸せな生活をして、それが急に無くなってしまうなんて、私なら悲しみから全然抜け出せないと思う。サツキが文中で言っているように、忘れてしまわなければ生きていけないと思う。覚えていたら、以後生きていくことが不可能と言えるくらい、ショックだと思う。自分だったら・・・って考えて読んだら悲しくなった。
・コーヒーもう一杯(重松清)
私も過去忘れられないような人と、コーヒーメーカーを買ってコーヒーいれたことがあったから、コーヒーの香りは自分のなかで忘れられない(ってほどもう引きずってないけど)香りにはいるかな。コーヒーなんて飲む機会たくさん有りすぎてもう毎度毎度思い出すことなんてないなあ。
ただ、あの一緒にいれてたコーヒーメーカーを見ると思い出しちゃうな。
・なにも起きなかった(高樹のぶ子)
恐ろしい話だ。友達の旦那と不倫した上に、久しぶりねとのうのうとメール送るのか。送られてきた友人も不倫のことを遠回しにチクチクという、このメールのやり取りが恐ろしくてならない。女怖いと思った話。
なんだろう、いままで読んだアンソロジーの中で一番しっくりこなかったかな。