女って何だ?
カレー沢薫
2018/08/15
★ひとことまとめ★
女のカテゴリーわけってつくづくめんどくせえなと思える本
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
毎回更新されるたびに大反響! WEBマガジン『キノノキ』大人気連載 待望の書籍化! !
第1部 「女が苦手な女」「サバサバ系女」「ゆるふわ系女」「サブカル系女」「キラキラ系女」「意識高い系女」...類型化されている○○女子を検証する!
第2部 ママ友、嫁姑、ウザい親戚との付き合い、女の加齢問題...「女らしさ」という言説と戦うサバイバルガイド!
【感想】
カレー沢さんのおもしろおかしい自虐的な書き方でにやにやしながら読めた。
・現代社会は女性にとって生きづらい。だとしたら、昔は生きやすかったのかというと、そんなことはないだろう。それに女ばかりがキツいみたいな言い方だが、男だって常に厳しかったはずだ。そもそも、この世界が人間にとって快適だったことが未だかつてあっただろうか。
昔だったら、玄関出てすぐ、マンモスと遭遇、とかあったはずだ。これは相当生きづらい、というかリアルに死ぬ。
そこから衣食住が確保できるようになると今度は「豊かに生きるべき」みたいないらんことを言う奴が現れ、「他人より豊かに生きるべき」となった時点で地獄の幕開けである。(P80)
マンモスのくだり笑った。そりゃ確かに生きづらい。
・現代の生きづらさの変化
求められるものが超増えた 「結婚し男に付き従い子供を産み育てろ」という求めが変わらないまま、さらに「経済のために働け、男に頼るな」という価値観までログイン。
自由すぎてヤバい 昔に比べれば「結婚し子供を産むのが女の人生」という価値観は多少なりとも減り「お前の人生だ好きにしろ」と言われている女もいるだろう。選択肢が多ければ迷うのは当たり前だ、そしてどの道を選んでも「自分は間違った道を選んだ気がする」という気持ちが拭えない。そして「自分探し女」の誕生である
何がサクセスかわからない 昔なら「ハイスペックな男と結婚」が女のサクセスだった。今でもそれは女のサクセスの1位かもしれないが、今では男に頼らず、自分自身がサクセスするのが渋いという考え方も強いし、サクセスするにも起業するとか、芸術とか種類はいっぱいある。さらにそこに「社会的成功だけがサクセスではない、自分らしくありのままにやりがいを感じて生きることが真のサクセスだ」と言い出すやつが現れる。(P81-84)
生きづらすぎる。
・若さを羨む理由の一つに、「将来性の有無」がある。何かをはじめるのに遅いなんてことはない、
は言うが、やはり若いうちにはじめた方がいいし、
そういった意味で「あのころの自分に戻ってやり直せたら」と思うことはある。しかしそういう妄想をする時は大体「あのころの自分」ではなく、
「別人のように生れ変わったあのころの自分」で考えてしまっている。そういう自分なら、あのころ諦めた夢を次々に叶えるだろう、何せ別人なのだから。
だが現実は「所詮今より若いだけの自分」である。
「所詮、私が年取っただけ」である。
今の自分が大したものを持っていないなら、若い頃の自分だって当然何も持っていない。年を取ると大きなものを失った錯覚に陥るが、元から無いものは無くせない。つまり肉体的若さという誰もが平等に失うもの以外、「何も失っていない」とも言えるのだ。(P196-197)
深い。。。深いぞ…。
・(親戚のババアについて)それにババアというからには、自分より年上だろう。どんなにウザくても自分より先に死ぬのだ。結局、避けようがないものなら、極論で考えて苦痛を軽減するしかないのだ。何を言われても、「どうせ自分より先に死ぬ」「少なくとも今、死ぬまで殴れば死ぬ」と思えば、無心で「そーですね」と言えるものである。(P220)
死ぬまで殴れば死ぬでワロタ。
・つまり、会社、仕事というのは、多くの人が、生活のため、プライベートのための賃金を得る場なので、楽しくやれなきゃダメだということはなく、むしろ、プライベートの楽しみのために我慢をする場だ。所詮、制限時間(退社時間)までの、我慢大会会場なのである。(P232)
・そういえば「生理痛のつらさは男にはわからない」に、「女だってキンタマぶつけた痛みはわかんねえだろ」が食ってかかり、炎上、というのも、信じられないがネットによくある論争だ。お互い、ないもの、起こらないものの痛みで言い争っても永遠にわかりあえない。それより「痛がっているやつがいたら心配する」のが普通である。「こっちの方が痛い」と言うのは、男、女ではなく、人として優しくない。(P273)
男も女もどちらもきっと生き辛さはあるんだろうな…。相手のことを敬う余裕がほしい。。。
コラムだけどテーマつくるのがあれだったのでエッセイにしちゃった…