32冊目:親友のたのみ | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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親友のたのみ

星新一

2018/05/16
 
 
 

 

★ひとことまとめ★

すぐ読めます◎

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

新鮮なアイディア、完全なプロット、意外な結末―三要素そろったショートショートの傑作。…“たっぷり”面白い。

 

【感想】

ひとつひとつの話に感想を書いていたけれど、保存できておらず飛んでしまったのでもう簡潔に書きます。

 

・親友のたのみ

亡くなった親友が、自分の死は事故ではなく故意に起こされたものであると青年に伝えに来る。青年は親友の無念を晴らすために行動をする。星新一の話にしては話のストーリーがとんとんと変わっていく話な気がする。最後はあっさりとした終わり方。

 

・知人たち

会社の金を使い込み、発覚を恐れしばらく隠れていた青年。久しぶりに外に出てみたところ、世の中の人々が自分の存在を忘れてしまっていた。なんだか世にも奇妙な物語でありそうなお話だね。青年は、誰か自分の存在を覚えていないだろうかと、テレビに出演する。有名人にはなったものの、結局彼のことを詳しく知る人物は誰もいなかった。世の中の人から忘れられてしまうのは怖いことだね。

 

・発火点

レストランのオーナー、従業員たちはレストランを継続させるために犯罪計画を企てる。しかし、入ってきた客に聞かれて、どんどん道連れにしていく…。最終的に、全然違う目的になってしまって、オーナーたちはたじろいでしまうお話だけれど、そもそも論、そんな大事な話をするのであれば、”準備中”の札を出してはいかがか…。営業中って書いてあって入ってきたお客さんに、「この話を聞いたからには帰すことはできない!」って、いい迷惑だよねww しかも、コトの発端の、近くに新しくできたレストランは改装中で、本来なら流れてきたお客さんでお店は繁盛していたかもしれないのにね~。悪いことはするもんじゃない。

 

・一軒の家

無人にもかかわらず、さびれず、いつまでたってもすぐにでも住めそうな一軒の家。しかし、家に入ると奇妙な現象が起こってしまうため、人は住まずに出ていってしまう。普通なら幽霊ってくるところだけれど、タイムパトロール隊ってところが星新一らしい。後世に古風な建物を残すための活動。いま日本に残っている昔の建物だって、焼失を免れて現代まで残っているものもあるわけだし、なんらかの力のおかげで残っているのかも、と考えるとおもしろい。

 

・上役の家

壁に出てくる自殺した男の顔をカモフラージュするために、わざわざお化け屋敷みたいなビックリハウスの仕掛けをする上役。壁塗ってもでてくるならポスターでも飾ればいいのでは…あと、みなさん上役のお宅にいって、そんな壁見ますかね…?人が来る時だけ出てくるとか、どんだけ見てもらいたい幽霊なんだ…。

 

・たそがれ

このお話は実際に起ったらとんでもないけれど、着眼点がおもしろいお話だった。人間が物や自然を消耗しすぎた結果、すべての物質にどっと疲労が来てしまう。木も生気を無くし、テレビも息切れしているような小さな音声、自動車もノロノロ運転。こんなこと世の中で起こったら大パニックだけれど、人間はもっと自分たちのことだけではなく、自然や、長期的に持続可能な社会を考えるべきだよね。おーいでてこーいと似たような、現実社会にチクリとするようなお話。

 

・やさしい人柄

死刑囚が最期まで穏やかでいられるよう、優しく優しくしてきた刑務所の所長だったが、過去の書類を見るうちにある考えにたどり着く。ある死刑囚をの死刑を執行した翌日、それまで善良だった人物が魔が差したように犯罪を犯している。さらに、次の死刑を執行した際も、同じようにその翌日犯罪者が生まれる…。所長の優しさにまた触れたいがため、過去死刑執行された人物が、一般市民に取り憑き?犯罪を起こすのではないか。それから所長は鬼のように厳しくなり、その所長の任期が終わるまでは死刑囚は送り込まれなくなりましたとさ…。優しさが仇になってしまったお話。

 

・幸運の未来

なんかこれも皮肉なお話。催眠術にかけ、未来の相談者と会話をすることで、未来を予測する診断の仕事を始めた博士。来る人来る人みんな未来は明るいように答える。が、しかしそれは未来で出回っている、自分の不幸を忘れ、幸せでいるような気持ちにさせてくれる薬のおかげだった。みんな幸せでよかったなあ、と思ったのに、みんなその薬のおかげだと考えると、悲しい未来だ…

 

・森の家

これも悪いことはできないお話。ある森の中の家、老人が1人。町で強盗を働いた男が森の家を尋ねる。酒を飲みながら老人が見せた木箱の中には金貨が…。金貨ほしさに老人を殺したが、男は家の呪いにかかってしまい、みるみるうちに老人に…。因果応報。

 

・サービス

照明機器販売を行う、私。同業他社のライバルと一緒に、どちらが契約を取れるか、一緒に営業活動をすることに。やたらと庭の照明灯をサービスでつけると言うライバル。さすがに私はそこまでのサービスができないため、すべてライバルに負けてしまう。とはいえ、そんなサービスばっかりでは会社も傾くだろうと思いきや、むしろ成長している…。

その答えは、私が飛行機に乗った時に知ることができた。庭の照明によって、ライバルの会社のマークが地上絵のように光っていたから…。

ここまでのことは流石に無いけれど、サービスとかタダっていうものには、大体裏があるよね。決して無料ではなく、なにかと引き換えにその対価を得ていることに消費者は気づいたほうが良い。まあ、このお話で言えば、ライバルはマーク作りたいからただでもつけたい、お客さんは無料で照明つけてもらえる、でwin-winだと思うけれど。