89冊目:くまちゃん | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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くまちゃん

角田光代
2017/12/29読了

 

 
二度目の読了。
最初に読んだのは2年前?
2年くらい付き合った彼氏と別れて、結婚もしたいな~って思っていたから、かなり凹んで。
その時にこの本を知って、かなり励まされた。
 
失恋のお話。
このお話は、リレー形式というか、別れた相手が次のお話の主人公になる形。
どのお話も当時の別れたばかりの自分にはかなり沁みたけれど、「勝負恋愛」と「乙女相談室」に特にぐっときた。
 
「そう言ったら自分の関係は壊れるだろう。壊れないかもしれない。でも、壊れるかもしれない。賭けをする気にはなれなかった。負ける可能性が一パーセントでもあるのならば賭けなんかしたくなった。(P144)」
その時の彼に、自分の言いたいこと、聞きたいことがたくさんあったんだけど、言えなかったから、ゆりえの気持ちがわかった気がした。
言って別れたら…なんて思うと言えなかったから。
 
乙女相談室は、どの一言もジーンと来たけれど、
「二十人いれば二十通りの恋があり、二十通りの失恋がある。みなそれぞれ、そのときの自分に必要な恋をしたのだ。
その人のようになりたいと思ってはじまる恋もある。似ているから好きになる恋もあり、あまりに違うから好きになる恋もある。
好きだと言われてはじまる恋も、道場を勘違いしてはじまる恋もある。だれしもそのとき自分に必要な相手と必要な恋をし、手に入れたり入れられなかったり、守ろうと足掻いたり守れなかったりする。
そしてあるとき、関係は終わる。それは必要であったものが、必要でなくなったからなのだろう。たぶん、双方にとって。(P359)」
特にこの部分が心に響いた。
 
この本の良いところは、あの話のあの人が、結局こう落ち着いて、幸せになったんだね、っていうのがわかるところ。ただ失恋だけのお話ではなく、希望が持てる終わり方なところ。
だから、別れたときは本当にこの本にお世話になったし、落ち込む時間も少なくて済んだ気がする。
 
角田さんの書き方というか、言い回しとか読んでいて心地いいんだよね。失恋したときにぜひ読んでほしい本!!!