[新釈]走れメロス 他四篇
森見登美彦
2017/11/19読了
【感想】
山月記(中島敦)、藪の中(芥川龍之介)、走れメロス(太宰治)
桜の森の満開の下(坂口安吾)、百物語(森鴎外)の5話を森見さんらしく書き直した作品。
現代なのか、すこし昔のお話なのかわからなくなるような話の書き方が読んでいて素敵に感じる。
「夜は短し…」と同じ詭弁論部が出てきたり、山月記に出てきた主人公が藪の中や、走れメロスに出てきたり、ストーリーがつながっているのもやはり良い。
独特な書き方がくせになってどんどん読めてしまう。
どの作品もアレンジがおもしろいのと同時に、元の作品を読んでいたいと思った。
【追記】
山月記、桜の森の満開の下を青空文庫で読んだ。
昔の作品も苦手ではないけれど、森見さんの作品をはじめに読んでいなければ途中で読むのを辞めたかもしれない。
と同時に、どの作品ももとの作品から大きく外れることなく、森見さんらしいアレンジになっていることが改めてわかった。
今の作家の人達のアイデアやストーリーもすごいと思うけれど、昔の作家さんの作品もよく思いついたよなあこんはストーリー…
というものが多いので、読んでいておもしろい。
昔の作品も苦手意識を持たず読むキッカケになったかな。