※この話は、期間限定でアメブロのみの公開を予定しています。

▼前回の話


警察署を出て、息子を家に送り届け、

そのまま私は仕事に向かいました。


息子には、

『ママにちゃんと謝ってな。

毎日心配して泣いてたんだから。

自分のことすら、ままならない人間を悲しませるな』と言い残して。


息子は『わかった』と言って、

家に入っていきました。



仕事に向かう車の中で──


ふうっと大きく息を吐き気持ちを落ち着かせると、嬉しさが込み上げてきて、

目の前の景色が明るくなった気がしました。





──警察署では、


担当の警察官から親子ふたりで説教をされて、ひたすら謝罪。


『もうしない』という約束を

息子はさせられていました。


最後は穏やかな顔で警察官から、

『良かったですね。お父さん』とだけ。


似たような話は毎日あり、

正直とても構いきれないというのが、

本音のようでした。




その夜、仕事から帰ると、

リビングで息子は、

妻と笑いながら話していました。


妻は笑いながら、

『ねえ、聞いた?自殺の話。

やばくない?本当に死んでたかもよ?』

と、あっけらかんと。


息子は私の方を見て、

照れ笑いをしながら、

『すいません。迷惑かけました』と。


私も冗談めかして息子に、

『頼むよ。マジでもうやめて。

2度目とかなくない?

仕事にならないし、警察に怒られるし』


──息子は平謝り。



妻の笑顔にホッとしながらも、

「ほんと、うちは変わってるな」

と思いました。



その夜は息子の話で、

大いに盛り上がり。


久しぶりに家にも、

明かりが戻った気がしました。



その後の『家族の崩壊』──戻った笑顔【完】


※最終話に続きます。




 その後の『家族の崩壊』第1話


▼最初の自殺騒ぎ『家族の崩壊』