※この話は、期間限定でアメブロのみの公開を予定しています。
▼前回の話
連れて行った精神科で、
息子は『うつ病』と診断されました。
私は療養するように促して、
その年、息子は大学を休学しました。
実は、前回の"自殺騒ぎ"の時にも、
同様の診断を受けて治療をしています。
ただ、大学に受かって、
すっかり寛解していたこともあり、
本人は治療を中断していたようでした。
そして──その後の、
コロナによる緊急事態宣言。
息子は急激な環境の変化に対応できず、
うつ病を再発。
大学の授業にも出れなくなり、
引きこもっていました。
そこへ追い討ちをかけるように、
私のフラストレーションが、
息子を追い詰めていきました。
その時の私は、息子に、
経済的な事情から、
大学に行けないなら、
やめることを強く求めていました。
今回の自殺の動機について、
息子はこう話しています。
『ずっと胸に穴が開いていて、
冷たい風が常に吹き抜けている感じだった。
それが耐えきれないほど痛くて、
生きることがつらかった』
『自分が生きていること自体が、
人に迷惑を掛けていると感じた。
『電話やメールが怖くてたまらず、
リモートの授業にも対応できず、
大学を留年した』
『どうしても大学は続けたかったが、
それも許されないと感じて、
生きている意味はないと思った』
けれど、今回の自殺騒ぎを経て、
こうも言っています。
『それでも──
やっぱり"生きたい"と思った』
それから3年以上が経過しましたが、
息子は、うつ病を再発。
その後も、
留年と休学を繰り返しながら、
今なお7年目の大学生を続けています。
残念ながら──
息子の病気が治るとは、
私は思ってはいません。
それは病気ではなく、
それが"息子"だと思うから。
またいつでも再発し、
いつでも同じような騒ぎを、
起こすだろうと──
そんな息子の今の希望は、
大学を卒業することらしく。
私は『無理するな』とだけ言いながら、
見守り続けています。
私が息子にしてやれることは、
したいことを支えてあげることぐらいと、
諦めながら──
その後の『家族の崩壊』
【終わり】
※この話は全て、事実をもとに作成されています。
※長い間、ご愛読いただき、
▼ その後の『家族の崩壊』第一話


