ストーリーを反芻し、あの結末が最善だったのか、他に道はなかったのか、と考えると常に突き当たるのが、
「彼だけが死者を見ることができる」
「頭の中の弾丸がいつ彼の命を奪うか分からない」
という2つの基本設定です。
この2つが石川を闇へと追い詰めていきます。
ならばいっそ完全に闇の世界の住人となってしまえば、むしろ小気味いいダークヒーローとなれるわけですが、それをさせないのが立花や比嘉、市倉といった光の側で石川を見守る人々。
さらに今回新たに登場した監察官・久高は、石川の違法行為に目を光らせる。
というわけで、生と死、善と悪、光と影、法と正義といった諸々の“BORDER”で揺れる石川の不安定さを残したまま、ステージを一歩上がった感のある見事な続編でした。
安藤と須藤が、石川の心の中の天使と悪魔のように見えたのも面白いところ。しかもどちらが天使でどちらが悪魔かというのも、見た目どおりではなかったりします(失礼)。見方によって変わりますよね。
先程、番組HPに掲載されている脚本家・金城一紀氏のコメントを拝見したら、このストーリーは前シリーズ終了時には決まっていたとのこと。納得のクオリティーです。
更なる続編に期待します。