今日は1月21日、「仮想世界の酒蔵」の続きになります。

本日の肴は、神社に隣接する空き地の続きだ。

水筒の蓋を閉めて、帰ろうと思った。
献杯は、その場限りのものだ。
正月だし、水筒には酒が入っていたし、
それ以上の理由はない。

そう思いながら、すぐには歩き出せなかった。
空き地には、柵もなく、看板もなく、
ここからここまで、という線も見えない。
ただ、何もない場所が、そこにあった。

少し離れたところで、人の声がした。
参道のほうからだろう。

そのとき、ふと気づいた。         ああ、ここは—神社に隣接している土地だった。                   神社に隣接している、という事実は、「蔵」という言葉を自然に連れてきた。それも、倉庫ではない。

酒蔵だ。
酒を造る覚悟?
免許も、段取りも、何一つ分からない。
知識も、計画も、まだ何もない。

それでも、この場所は、
何かを始めるためにあるのではなく、始まってしまったものを、受け止めるためにそこにあるように思えた。
そう考えたとき、選択肢は二つしか残らなかった。
忘れるか。
建てるか。

忘れるには、もう立ち止まりすぎていた。
だから、蔵を建てることにした。
この空き地は、もう空き地ではない。
酒蔵が、確かに建つ土地になった。
酒蔵の建築が決まった。
その話は、また後日しよう。