個人事業の事業承継(代替わり)する場合の税務面の紹介です。
今回は代替わりのタイミングで場合分けして、税務の留意点を見ていきます。
個人事業をされている方の、後継者への代替わりのタイミングは2つあります。
(1)先代の生前に代替わりする
(2)先代が亡くなった時点で代替わりする
(1)先代の生前に代替わりする場合
承継の方法は2つあります。
①先代の事業の資産・負債を後継者に無償で譲る(贈与する)
②先代の事業の資産・負債を後継者が買う(売買する)
上の図のように、贈与する場合は後継者の経済的負担がない一方で、贈与税が課税されることがあります。
贈与税は、基礎控除額が110万円ですので、その年の1年間に贈与によりもらった財産の価額から110万円を引いた金額に対して贈与税がかかります。
また、後継者以外に子どもがいる場合は、後継者以外の子どもの受取り分についてトラブルになることもあります。
売買する場合は、先代が得た対価が譲渡所得となり、所得税の対象となります。
後継者に経済的負担がありますが、後継者以外に子どもがいる場合のトラブルを避けられます。
※使用貸借について
事業の資産のうち、土地や建物は高額になるので、使用貸借(無償で借りる)して後継者が使用することもあります。
この場合、先代と後継者が生計一であれば、事業用の土地・建物の固定資産税については、事業の必要経費とすることができます。
(2)先代が亡くなった時点で代替わりする場合
先代のすべての財産について相続税がかかる場合があります。
遺産の額が、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は相続税が課税されます。
、