少し前に、外壁の仕様と色を決める打ち合わせに入りました。
外壁は、ガルバリウム鋼板を選びました。
エムズさんの標準的な外壁は、オメガアクロフレックスという塗り壁なのですが、コスト面の理由から、ガルバリウム鋼板に変更しました。
外壁の色は、黒を選びました。
遮熱性を考慮すれば、一般的には、黒や紺などの暗い色よりも、白や銀などの明るい色の方が良いとされています。
家づくりのイメージを膨らませていた当初は、外壁にはできるだけ遮熱性とデザイン性が両立しやすい、明るい色を選びたいと考えており、外観上のデメリットとして「見た目が倉庫っぽくなる」と言われることの多いガルバリウム鋼板は、選択肢として上位にはありませんでした。
明るい色だと汚れが目立ちやすいという問題もありますが、最近では光触媒などの新しい技術もあるそうなので、その点についてはさほど気にしておらず、メンテナンス性が価格に見合っていれば、窯業系サイディングでもタイルでも塗り壁でも、なんでも良いとすら思っていました。
しかしながら、エムズさんに家づくりをお願いすることになり、当初予定していなかったガルバリウム鋼板を外壁に選んだ時点で、明るい色は選択肢からなくなりました。
なぜなら、上でも触れたように、外壁をガルバリウム鋼板で施工した場合に、外観上のデメリットとしてよく言われているのが「見た目が倉庫っぽくなる」ことで、ヨドコウなどの物置を連想させる白や銀は、その倉庫っぽさをさらに引き立ててしまう色だと考えていたからでした。
ネットで探してみると、白いガルバリウム鋼板を使った家の画像はいくつか見付かるのですが、そのほとんどが、あえて軒のないキューブ型で住宅らしさを消したうえで、アクセントとして木を使って洒落感を出すなどの方法によって、倉庫っぽさを感じさせなくするようなデザインでした。
わが家はキューブ型とは真逆の、軒が深めの屋根が乗る予定なので、同じような方法で倉庫っぽさを打ち消すというイメージが湧かず、明るい色は検討すらしなかったというのが正直なところでした。
ガルバリウム鋼板に合わせやすい代表的な色としては、黒、紺、茶などがあります。
エムズさんでは、緑で施工した事例もあるため、ガルバリウム鋼板でも当初のイメージよりは選択肢の多いことは理解できたのですが、実際には、わが家はさほど迷うことなく黒に決まりました。
理由はすごく単純で、エムズさんの事務所の外壁が、黒いガルバリウム鋼板だからです。
元々が保守的な性格のうえ、デザイン的才覚に乏しい僕たち夫婦には、僅かでも個性的な色など選べるはずがなく、個性的でなくても実物を見ずして採用できるはずもないため、身近なサンプルとしては、エムズさんの事務所はまさにうってつけの存在でした。
エムズさんで家を建てた人、もしくは検討している人にとっては、エムズさんのモデルハウスは、中身だけでなく外観のデザインも大好物だと思います。
もちろん僕にとっても大好物なのですが、実は初めて見た時からモデルハウスと同じくらいエムズさんの事務所にも心惹かれていて、軒の深さなど双方には共通点が多いにもかかわらず、事務所の方には、モデルハウスとは対照的な、良い意味での家らしからぬシャープさがあり、そこがまた格好いいじゃないかと密かに思っていたのでした。
そのシャープさを生んでいるのは、やはり外壁が黒いガルバリウム鋼板だからなのだろうと思います。
上で「家らしからぬ」と書いておいて矛盾するようですが、逆に最初からこういう家なんですと言われれば、誰も事務所だとは思わない、そういう絶妙なシャープさがエムズさんの事務所にはあると思います(サッシの色や玄関周りの木の使い方が余計にそう思わせるのかも)。
建物全体の形状は随分違いますが、我が家にも軒の深い屋根が乗るので、そういう意味でもエムズさんの事務所はわが家のサンプルになりやすく、色を決めることに時間はかかりませんでした。
塗り壁などが前提だった遮熱性がどうのこうのという話は、エムズさんの事務所をサンプルとした瞬間に彼方へと消え去り、僕たち夫婦としては珍しく、ほぼ完全に見た目だけで黒に決めてしまいました。
白とは違う状況下で、黒い外壁にも汚れが目立つという問題はあるものの、それを細かく気にしはじめると銀以外の選択肢がほぼなくなってしまうので、それもあえて忘れてしまうことにしました。
なんだかんだと理屈を書いてきましたが、選ぶ建材によって、それに合う色、合わない色があるため、実物のサンプルになり得るモデルハウスや施工事例は、多ければ多いほど役に立つのだと改めて実感しました。
ただし、外壁には色のほかにも選ぶべき重要なことがあり、そちらの方はまだ決断しきれていないため、外壁選びは終わったとは言えないのですが、その話はまた改めて書く予定です。