回想録①からの続きです。
大手メーカーの金額を知って現実に打ちのめされてからの数年間、家づくりはほとんど進みませんでした。
消費税増税や住宅ローン控除の打ち切りは常に噂されていましたので、早くなんとかしなければならないという焦りだけはあったのですが、初めての子育てや日々の仕事に追われて、ずるずると問題を先送りにしてしまっていたのでした。
それでも月日が流れるのは早いもので、そうこうしているうちに、息子が生まれ、娘がいよいよ小学校に上がる時期も差し迫り、今度こそ真剣に家づくりを考えなければならない状況に追い込まれました。
僕はずっと昔から岐阜の中心部近くに家を建てたいと思っていたのですが、結局、今住んでいる地域に家を建てることになりました。
岐阜のはずれに位置するので、お世辞にも栄えているとは言えませんが、季節の移ろいに合わせて表情を変える山々が眼前に広がる一方で、車と電車の両面から見ても交通の便は悪くなく、スーパーや病院などの施設も一通り揃っていると思います。
この地域に決めた理由や経緯は割愛しますが、「住めば都」とはよく言ったもので、今ではわりと満足しています。
家を建てる場所は決まっても、肝心の土地はなかったので、娘が通う小学校の校区内であることを第一条件として、土地を探し始めることにしました。
しかし、僕たちが住んでいる地域は、空き地はそれなりにあるものの、先祖から受け継いだ土地はおいそれと売ってはならないという考えの人が多いようで、条件に合う良い土地が見つかるまでには、さらに数年の月日を要しました。
ぴかぴかの一年生だった娘はどんどん進級していき、当初の目標からは随分遅れてしまいましたが、(ほとんど妻が)地元の人から情報収集するなどして粘り強く探した結果、ようやく良いご縁に恵まれて、今の土地を安く購入することができたのでした。
③に続きます。