地球防衛軍S 第40話 帰路 | EDFニュード・フォトン汚染対策本部

EDFニュード・フォトン汚染対策本部

EDFの小説モドキが主で、ボーダーブレイクの戦果報告や単発SSをあげてます。PSO2も追加されました


『というわけで、ヴァラクの撃破に成功しました。被害は、故障及び破損したALレーザー銃のみです』

「…魔獣の撃破に成功しました」


作戦終了の報告がされたあと、オペレーターは言う。

半分ブリーフィング、半分作戦完了の報告がされていた。

「渓谷を通り、本部へと撤収します」

『了解』

そして、撤退中の部隊にルート指定を行った。

これはまだ敵の制圧下な場所もあり、通過する場所によっては奇襲を受けかねないからである。


「山岳エリアには、数は僅かですが巨大生物が残っているとの報告があります」

『本当に僅かなのか? 結構膨大な物量でやられかけた事も過去にh…』

『チキン野郎は黙ってなさい! …あー、こちらストーム1。了解しました』


空音の声が悟の声に重なる。

ベガルタも大破しているので、ほぼ全員が徒歩だ。

比較的本部に近いからまだ良いが、本部から遠かったらみんな疲労で倒れていただろう。

「…万一、巨大生物と遭遇した場合は、殲滅してください」
『ほら見ろ! 言わんこっちゃなi…』

『あー、すいません。ちょっと電波の状況が悪いみたいですー』


そういう空音の声を最後に、通信は打ち切られた。

…いくらあの大物を仕留められたとは言え、あまりにも浮かれている声が後ろの方から聞こえていた気もする。

基本的には悟に対する相応の処分があるが、それは別の話だ。

「…生きて帰って来いよ、ストーム1」


司令官が窓から空を見上げながら言う。

呆れるくらいの空色が、天を覆っていた。




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「…こんのチキン!」

「ひぃっ!」

「……」

悟が正座している。

空音に説教をされているからだ。

怜香が苦々しい顔をして、その光景を見ていた。


「あんたの発言がどういう影響を与えるかがまだ分からないの!?」

「いや、俺は別に一兵卒だし…」

「一応はストーム1所属じゃないの!? ベガルタのテストパイロットじゃないの!?」

「…その通りです、はい」



その後も恐ろしい説教が続く。

「このチキン!」とか「ヘタレ!」とか空音が言う度、怜香が小さな声で「ごめんなさい…」と呟いている。


「別にお前を怒っているわけじゃないんだから、反応する必要はないと思うわよ? …うげ」

「…条件反射の類で謝ってるような気がするんだ…」

「だからあんたはヘタレなのよ!」

「すいません…」

「…やれやれ」


「──早く戻って、一杯やろうぜ」



レンジャー6隊員の1人がそう言った時だった。

レーダーに突然、大量の敵反応が映った。



「…なにか聞こえるぞ?」
「警戒しろ!」


敵はガンシップか、それとも巨大生物か。

一言に巨大生物と言っても、蟻型なのかクモ型なのか。

それは分からないが、こちらに近づいてくるのはレーダーでも音でも分かった。

…音の時点で既に巨大生物であるのだが。

「巨大生物です!」

チラッと見え、敵は赤色巨大甲殻虫だと判明した。

別の敵が確認されない限りは、敵は突撃思考だと考えて良いだろう。


「恐ろしい数だ…」
「…戦闘に備えろ!」


レンジャーG隊長、オメガチーム隊長が我に返って叫ぶ。

レンジャーGはいつもの得物があるが、オメガチームは殆どの隊員が通常の実弾兵器のみだった。


「数が多すぎる。…退却だ、退却しろーっ!」
「間に合いません…来ます!」
「ゴリアス、前へ!」

G隊長のかけ声が、開戦の合図となった。

他のものより丈夫なALレーザー銃を構えながら、オメガ隊長は言う。

その声は妙に響き、戦闘中にも関わらず海理や空音、怜香にまで聞こえた。


「我々は第一に犠牲0、第二に敵の殲滅を目標とする。…諸君の力をいかんなく発揮してくれたまえ」

「了解!」


流石は精鋭部隊と言った所か、通常の実弾兵器でもかなり戦闘慣れしている。

レンジャーGのゴリアスランチャー掃射もかなり心強く、そこまで苦戦はしていない。

…ここまで全く出番のないレンジャー6だが、仕事をしていないわけではない。

だが、レンジャーGやオメガチームに比べて目立った活躍がないのも事実だ。

これが精鋭との違いなのだろうか。




「隊長、レーダーに反応が! 奴らはまだ来るようです!」

「…こちらレンジャー6! 敵と交戦中!」


少し敵の数も減り、少し余裕が出てきた所だった。

レーダーに映る反応にいち早く気付き、今の状況を見つつレンジャー6が賭けに出た。


今の状況だけを見れば押しているようにも見える。

…だが、実際は少しばかり不味い事になりつつある。

というのも、レンジャーGの残り砲弾がヤバイ状態まできているからだ。

オメガチームのENパックも同様で、下手すれば巨大生物相手に格闘戦をしなければならない。

そうなれば、人間と象ほどもある巨大生物との体格差が嫌と言うほど良く分かる。


「…彼女がいれば、話はまた違ったでしょうね」

「お前が彼女を思い出すのは勝手だが、今は懐かしいとかその豊かな胸に溺れたいとか思ってる場合じゃない」

「なっ… ぼ、僕がいつそんな不埒な事を考えたっていうんだい!?」

「ふむ。どうやら総司令は本当に考えていたようですね」

「カマをかけられた!?」


そんな総司令こと怜香はMMF200を。

結城は周りにZERA-GUNを4つ置いて。

リクはと言えば…


「珍しいね。君がアサルトなんて」

「ま、他に使えるのが思いつかなかっただけだ」

「私に言えば弾銃を用意したんですけどね…」

「逆に怖いんだよ、結城の酸弾銃は。威力とか射程とか…主に溶解力が」


リクはアサルトライフルを構えている。

ただ、その反動は凄まじいようだ。

エンブレムにはAF100と書かれている事から、既存のAFシリーズを越えている事を伺わせる。



『…よく聞こえない。繰り返せ!』

本部とレンジャー6の会話は、まだ行われていた。

何故か本部はキレ気味である。

どうやら電波状況が良くないらしい。


「こちらレンジャー6、巨大生物と交戦中! 敵の攻撃は苛烈、援軍を要請します!」
『こちら本部。よく聞こえないぞ。もう一度言え!』
「こちらレンジャー6。敵は増える一方です! 援軍を急いでください!」
『くそっ! 通信妨害か…』



本部が一方的に通信を打ち切ってしまう。

…だが。


「…これで終わりかな」


そう言って怜香がMMF200の引き金を引く。

銃声が鳴り響き、最後の巨大生物を絶命させた。


「…援軍は必要なかったわけですか」


レンジャー6隊長が呟く。

今回は珍しく怜香と海理の意見があったようで、そのフォーメーションを組んでいた。

具体的に言えば、ZERA-GUNの囲む中に全員いるということだ。

その外に海理などの戦力を置いて、徹底的に近寄る敵をたたく。

リクが無意識の内にそのフォーメーションに入るよう、こっそりレンジャー6を誘導して。


「何はともあれ… ようやく帰れるわね。…うげ」

「うん、帰ったら最初にトイレに行こうね」

「…このチキン!」

「ごめんなさい」

「……」



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作者コメント♪


どうも、最近寝足りないからかテンション高めのキセノです。

疲れたり寝足りなかったりすると、昔からこうなんですよね…


本編的には、あと少し走れば何とかなりそうな感じですね。

キャラ構成の問題上、どうしても「3人」がチートになりかけていますけどね。